Googleは米国時間11月15日、「Cloud Machine Learning」に新しいツールやサービスを追加したと発表した。機械学習をより利用しやすくするもので、企業にこの技術を活用する新しい手段を提案するものとなる。
1つ目として、Googleは全く新しいAPI「Cloud Jobs API」をリリースする。仕事の検索を支援するもので、検索用語、そして勤続年数や勤務地といった要素などの求職者の希望に基づいて、最適な求人を見つけるという複雑なタスクに対し、機械学習がシンプルなソリューションを提供できることを示すものとなる。
求人情報サイトのCareerBuilderやDice.comがCloud Jobs APIの初期テスターとなっている。CareerBuilderはCloud Jobs APIを使ってわずか48時間でプロトタイプを構築した。テストの結果を受け、同APIを顧客向けに活用する計画を立てているという。Cloud Jobs APIは限定アルファとして提供を開始している。文化的要素が求人情報の掲示に影響を与えることを考慮して、まずは米国とカナダを対象にしている。
2つ目として、Cloud Vision APIの価格を最大80%値下げする。Googleは性能と効率を改善するために自社のカスタムTPUを使っており、これを受けて値下げが可能となった。さらにAPIは、イメージ認識機能を大幅に改善した。ランドマークなどを認識できるようになり、数百種のロゴを識別可能という。
さらにGoogleは、プレミアムバージョンの「Cloud Translation API」をリリースする。Googleは2016年に入り、高度なトレーニング技術を使った「Google Neural Machine Translation」システムを発表している。TPU上で動かすことで、一部の主要な言語の組み合わせで、翻訳の誤りが最大55~85%低減されるという。このシステムが、Cloud Translation APIのプレミアム版としてリリースされる。現在のところ、このAPIは最大8言語(英語から中国語/フランス語/ドイツ語/日本語/韓国語/ポルトガル語/スペイン語/トルコ語)と16種類の言語の組み合わせをサポートする。
またGoogleは、「Cloud Natural Language API」を一般公開した。Evernoteなどのベータテスターからのフィードバックをベースに、改善されたシンタックス分析などの機能が含まれる。
さらに、「Google Compute Engine」またはCloud Machine Learningを利用する企業に対し、GPUを利用できるオプションを提供する。機械学習トレーニング時間を高速化したいGoogle顧客はメリットを得られる。
またGoogleは15日、機械学習と人工知能(AI)の分野のさらなる取り組みを発表した。Cloud Machine Learningグループを立ち上げ、エンタープライズ向けのクラウドベースの機械学習ソリューションに専門的に取り組むことを明らかにした。スタンフォード人工知能研究所のディレクターを務めてきたFei-Fei Li氏と、Snapchatで研究担当幹部を務めていたJia Li氏がこのグループを率いる。またGoogleは、音楽家や科学者などと連携して構築した一連の機械学習のデモを紹介する「AI Experiments」を公開した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。