ファイルの権限管理
Boxでは、グループを作成して、グループに対してアクセスするフォルダを設定できます。弊社では該当する所属部署単位でグループを作成し、それぞれ必要なフォルダに権限を設定しています。また、設定できる権限も詳細に設定できるので、特定のフォルダのファイルは閲覧のみで更新させないなどの設定も可能です。

外部共有
Boxは社内のファイルサーバとしてだけではなく、外部とのコラボレーションツールとして利用することができます。つまり、Boxの特定のフォルダを外部のユーザーに共有することができます。
外部ユーザーにフォルダを共有する際は、先程の権限設定と同様に権限を付与することができるため、外部ユーザーによりファイルをダウンロード/アップロード、編集が可能です。これにより、外部のユーザーへのファイル送付のために、ファイルを暗号化して、メールに添付するという作業をなくすことができました。
会議の改善
Boxはクラウドストレージサービスですが、それだけでなく独自の便利機能が用意されています。1つ目はBox Notesという機能です。これは、Box独自のメモ帳のような仕組みで、複数ユーザーで同時編集が可能な機能です。これにより、個別の端末のメモ帳などを利用せずに、リアルタイムに議事録などを記録できるため、情報の共有スピードが向上します。
2つ目はBox Captureというモバイルアプリケーションです。このアプリケーションは、スマートフォンを利用して撮影した動画、写真、録音などをBoxへ直接アップロードできます。そのため、会議などのホワイトボードの撮影や会議の録音を指定したBoxのフォルダに直接送ることができます。
シングル・サイン・オン連携
Boxは前回紹介したOneLoginとSAMLで連携することができます。この機能を利用することで、Boxへログインする際、ユーザーはID、パスワードを入力するのではなく、OneLoginのユーザー情報を利用して、そのままBoxへログインすることができます。
監査ログによるユーザー利用状況の追跡
BoxにもOneLoginと同様に監査ログ機能が用意されているため、ユーザーの利用履歴などを確認することができます。この機能を利用することで、(外部も含めた)ユーザーがいつ、どのファイルを更新したかなどを確認することができます。
良いファイルの見える化
Boxはただファイルを保管するだけの機能ではなく、バージョン管理機能やファイルの履歴管理機能などがついています。バージョン管理機能では、いつ誰がファイルを更新したかなどがすべて記録され、必要であれば、元のバージョンに簡単に戻すことができます。
また、閲覧履歴は、閲覧、ダウンロードの履歴や、その場所まで記録されます。これを利用することで、外部に公開した情報の内、どの資料が多く閲覧されているか、社内でよく活用されている資料はどれかなどといったことを確認することができます。
まとめ
今回は、「作らないITシステム」を実現するために、どのようにファイル管理しているかを紹介させていただきました。クラウド型ストレージを利用することにより、既存の環境からよりコラボレーションが活発化し、セキュリティも強化されます。
次回は、コラボレーションを活性化させる要因になった、チャットツールについて紹介させていただきます。
- 宮澤 慶
- 株式会社サーバーワークス 情報システム課。2011年にサーバーワークスに新卒入社。入社後、AWSのインテグレーション部門に所属し、お客様へのAWSの導入、設計、構築、運用を担当。現在は、以前から兼任していた情報システム部門に専任として所属し、自社の社内システムの管理運用を行いつつ、そのノウハウをお客様に展開する業務に携わる。現在の担当は分野は、Amazon WorkSpacesやシングル・サイン・オンなどのSaaSソリューション。