HPCの今後の使用形態
Stanzione氏によると、HPCの使用形態は複数考えられるという。今まで以上のスループットと計算処理能力が必要なだけであれば、クラウドが適しているだろう。Stanzione氏は「小さな問題が大量にある場合にはクラウドが適している」と述べるとともに、「そういったケースがたくさん出てくるだろう」と続けた。
しかし、より規模の大きなプロジェクトでは、TACCや、特定の課題に焦点を当てる国立研究所のような、特化したプロバイダーが必要とされるはずだ。
また、多くの企業や組織が内部にHPCシステムを導入するようになるだろう。同氏は、「企業には社外に出したくないプロプライエタリなデータセットにまつわる大きな懸念がある」と述べ、「セキュリティに関して語ることはできるが、莫大な金額のからむ意思決定という観点から、HPCシステムの導入は組織内に限るという結論になるはずだ」と続けた。
HPCのメインストリーム化
Stanzione氏によると、処理性能にのみ着目するのであればスーパーコンピューティングがメインストリームになるだろうという。同氏は、「HPCは槍の尖端のようなものであり、時とともに得られた知見がさまざまな業界に浸透していくだろう」と述べるとともに、「あらゆる新製品は、箱に入ったスーパーコンピュータと考えられるようになる。パフォーマンスは少しずつ増強されていく」と述べた。
HPCを支える技術がメインストリームになるというのは、少し難しい話となる。並列処理はHPCに欠かせない技術だが、数十年前から存在している。そして、このアプローチは今ではさまざまな分野のプログラマーによって使用されている。
「先端技術は違ったかたちで姿を見せる」と述べるStanzione氏は、「例を挙げると、パフォーマンスを向上させるために、量子コンピューティングやその他の技術をどのように使用できるのだろうか?こういったものはしばらくの間、メインストリームにはならないかもしれない」と続けた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。