「Hortonworks Data Cloud for AWS」リリースでホートンワークスがクラウド戦略強化 - (page 2)

Tony Baer (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2016-11-18 07:30

 この背景にある話として、クラウド市場の顧客は、完全なプラットフォームよりも、自分たちの目的に合った製品を求めることが多くなってきている。このため、あらゆる大手クラウドプロバイダーで、少数のモデリングアルゴリズムへのアクセスを提供する、特化した用途を持つ機械学習サービスが出てきている。Databricksのように、Sparkだけを提供するサービスが登場しているのも同じ理由だ。この傾向は、Spark対Hadoopの議論が白熱している原因でもある。HDPとHDInsightは、すでにSparkを完全にサポートしているが、HortonworksがHDCloudの狙いを絞ったことには、短時間のワークロードに特化したクラウドサービスに対する需要が高まっているという背景がある。

 AWSに視点を戻したときに出てくる大きな疑問は、EMRではなくHDCloudを使うべき理由はどこにあるのか、ということだろう。Hortonworksは、Ambariから拝借したコンピュートノードの設定を最適化する機能を利用して、HiveとSparkのワークロードに最適化することによって、EMRとの差別化を図っている。Hortonworksはまた、Hiveで行や列単位でのより細かいセキュリティを提供する機能を売りにしている。

 またEMRは、データアクセスを最適化する独自の機能を売りにしてきたが、最近「Apache Hadoop 2.7」で導入された機能強化を利用することで、HDCloudでS3を利用する際の性能はEMRに匹敵する水準になった。

 HDCloudのサービス開始時点では、課金は年間契約か1時間単位となる。ただし、既存技術である「Cloudbreak」(その一部は新しいAWSのサービスでも利用されている)を使用すれば、スポットインスタンスの利用が可能なため、HDCloudにも将来スポット料金が設定される可能性が高い。また、「for AWS」という名前にも注意が必要だ。この名前から考えると、今後他のパブリッククラウドサービスでも、HDCloudのサービスが提供されても不思議ではない。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    従来型のセキュリティでは太刀打ちできない「生成AIによるサイバー攻撃」撃退法のススメ

  2. セキュリティ

    AIサイバー攻撃の増加でフォーティネットが提言、高いセキュリティ意識を実現するトレーニングの重要性

  3. 運用管理

    メールアラートは廃止すべき時が来た! IT運用担当者がゆとりを取り戻す5つの方法

  4. 開発

    「スピード感のある価値提供」と「高品質な製品」を両立させるテスト会社の使い方

  5. セキュリティ

    クラウド資産を守るための最新の施策、クラウドストライクが提示するチェックリスト

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]