AIで日本の経済規模倍増までの期間が50年短縮

ZDNet Japan Staff 2016年11月17日 15時29分

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 アクセンチュアは11月17日、(機械学習などの)人工知能(AI)に関する調査結果を発表した。人工知能が仕事の在り方を変え、人間と機械との新たな関係性を生み出すことで、2035年には年間経済成長率が倍増する可能性があるという結果が出た。AIによって根本的に働き方が変わりビジネスと人間の役割の変化により、労働生産性は最大で40%高まると予測されているとした。

 また、アクセンチュア・ハイパフォーマンス研究所はフロンティア・エコノミクスと共同で、世界経済の総生産の50%以上を占める先進12カ国について、AIの影響力をモデル化した。

 今回の調査では、2035年の各国の経済規模について、従来予想の経済成長を示す「ベースラインシナリオ」と、AIの影響力が市場に浸透した場合に期待される経済成長を示す「AIシナリオ」を比較した。

 AIが最も高い経済効果を生む国は米国で、「AIシナリオ」の場合、2035年には年間8兆3000億ドルの粗付加価値(GVA)が生み出され、GVA成長率が「ベースラインシナリオ」の場合の2.6%から4.6%に上昇することが分かった。

 英国では、「AIシナリオ」の場合、2035年に年間8140億ドルのGVAが生み出され、GVA成長率が「ベースラインシナリオ」の場合の2.5%から3.9%に上昇する可能性がある。

 日本では、「AIシナリオ」における2035年のGVA成長率が、「ベースラインシナリオ」の場合に比べて3倍以上になる可能性があり、フィンランド、スウェーデン、オランダ、ドイツ、オーストリアではそれぞれ2倍になる可能性があるとした。


2035年の各国のGVA成長率(GDP成長率にほぼ相当)について、ベースラインシナリオとAIシナリオで比較

 先進国市場では、革新的なAI技術によって労働生産性が大幅に高まる可能性がある。これは、人間がより効率的に時間を使うことができ、新たなものを創造するという、人間が最も得意な仕事に集中できるようになるためという。

 調査対象となった先進12カ国の経済規模が倍増するまでの年数は、生産性の向上によって劇的に短縮されるとした。この年数は経済発展の指標の1つであり、国が技術イノベーションをいかに幅広い経済基盤に普及させられるかが大きく影響すると説明する。日本に関しては、「経済規模を倍にする時間」がAI利用により50年以上短縮すると予測している。


ベースラインシナリオと比較した場合の2035年時点でのAIによる労働生産性の向上率

経済規模が倍増するまでの年数を、2035年時点のベースラインシナリオとAIシナリオで比較

 AIを経済成長に向けた原動力とするために、アクセンチュアでは以下の問題に対処していくべきと提言している。

  • 次世代に備える–人間の知能と機械の知能を融合させ、双方向に学習できる共存関係を構築するとともに、将来的に必要となる知識やスキルを再評価する
  • AIに対応した法規制を導入する–時代に即して法規制を改め、テクノロジの変化と規制対応のスピードの差を埋められるよう、適応性に富んだ自己改善型の法規制を導入する
  • AIのための倫理規定を策定する–知能を持った機械の開発および使用について、基準や規定を明確にした上で倫理面の議論を進める
  • AIの再分配効果に対応する–政策立案者はAIによるメリットを得る方法を明確にさせると同時に、想定しうるあらゆるデメリットに予め対処し、雇用や収益の変化によって生じる影響を緩和できるようにする

 アクセンチュアの最高技術責任者(CTO)であるPaul Daugherty氏は「AIは、20世紀後半のコンピュータ技術の登場に匹敵するインパクトでビジネスを変えつつある。AIやクラウド、高度なアナリティクスをはじめとするさまざまなテクノロジの融合により、人間とコンピュータが協働する方法や、組織と消費者との関わり方には驚くような変化が起こり始めている。今回の調査では、AI技術の成熟が経済成長を促し、ここ数十年の生産性の低迷や労働力不足といった問題に対する強力な打開策になりうることが明らかになっている」とコメントしている。

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