リスト→地図の対応
リスト中に目的の場所を見つけたら、次に利用者はそれが地図上のどこに対応するかを探す。そのために、その対応が容易に判るようになっていなければならない(さもなくばリストの意味があまりない)。よくあるパターンとしては、個別に番号を振って地図中にもその番号を示す方法や、地図をグリッドに区切って、数字とアルファベットでどのグリッド内にあるかを示す方法などが挙げられる。いくつかのエリアに明確に分けられる場合は、エリア名・番号(とエリア内での番号など)を示す場合もある。
そのようにしても、そもそもの数が多かったり、グリッドやエリア内にある対象の数が多かったりすると探す難易度は高くなる。リストがカテゴリ分けされているならば、地図上でもそのカテゴリを色やハッチ、記号で示すなどなんらかの形で反映すべきである。エリアがある場合には、そもそもそれぞれのエリアがどこであるかを判りやすくせねばならない。それぞれの対象に対する「探すための情報」は、地図上の、利用者にとって認識しやすい形の情報として適切に対応しているべきなのである。
リストの並べ方(レイアウト)も、製作者が意図する・しないに係わらずそれ自体が情報をユーザに伝える。その情報が地図上の情報と食い違うとき、悪いUXを生じやすい。
なお、ウェブページ上での案内であれば、リストあるいは目的の場所に関する情報のページから、そこが属するエリアの地図へのリンクがあって然るべきである。
「探すためのための情報」がある、だけでなく、そこから簡単に、間違いなく探せる方法があるのに提供しないのは、良いUIとは言えないし、良いUXの ための機会を逸していると言える。
リスト部分のレイアウトと地図が食い違う例
筆者が過去に見た「判りづらい」案内図を元にした例を挙げる。5階建てくらいのビルの各フロアのいくつかの部屋が展示会場になっていて、パンフレットの案内図には各階ごとにページが用意されており、次に掲げるのはその中の3Fの図と思っていただきたい。

上下の、数字が書かれたマスには実際には展示番号(フロア番号+数字)とそのタイトル、説明が書かれていた。この図だけ見ると、数字の並びが順が縦なのにやや違和感があるものの特に紛らわしいところはないと思われるだろう。問題は、中央の斜線の部分である。ここは実は吹き抜けで、このフロアは左右間の移動ができない。1Fまで降りるか、5Fまで上がるかしないと、移動できないのだ。