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課題解決のためのUI/UX

「デザインされた情報」の塊--地図から検討するUX - (page 4)

綾塚祐二

2016-11-28 07:00

アイコン、ピクトグラム

 さて、地図や案内図上で、一般的な事物やカテゴリを端的に表すために使われるのが、アイコンやピクトグラムである。言葉が判らない・読めない場合でも理解できる、名称から何であるかが判りづらい場合でもヒントになる、認識しやすいなどの効果を期待して使われる。しかし、これらも(文字や文字による言語ほどではないとはいえ)文化依存性があるので注意すべきである。

 「海外からの観光客にわかりにくい」ということで「温泉」を表すピクトグラムが(日本人的にはいわゆる「温泉マーク」で通じるものから)変更される、という最近のニュースを覚えている人も多いであろう。また、この12月から洗濯表示マークが国内外統一のものに変わったが、そのマークに違和感を覚え、わかりにくいと感じる人も少なくないであろう。

 これらよりも普遍的に思える事物に対するピクトグラムでも、油断はできない。また、「デザイン性」などと称してうかつに図案をいじると混乱を招く恐れがある。トイレの男女のピクトグラムが判りづらくされてBadUIになっている事例などは枚挙に暇がない。

地図に限らない

 地図や案内図の話をしてきたが、コンピュータシステムの使い方の説明や、アプリケーションやウェブページの画面設計などでも本質的には同じである。目的の場所(=実行したいタスクなど)がある利用者が、それを探し、リストなどを手がかりに適切なところ(機能)にたどりつく。リストや説明からの対応関係がはっきりしていないと、利用者は、迷い、役に立つ情報を見落とす。地理的・空間的感覚が入りにくいなどの違いもあるが、地図・案内図の作成と同様の配慮をもって情報デザインをする必要がある。

 今回は地図や案内図の、目的地を見つける部分という側面を見てきたが、これを元に行動するためには「地図と現実との対応」や「動きながら得られる情報がどうなっているか」なども考えねばならない。これはまた回をあらためてじっくり考察したい。

綾塚 祐二
東京大学大学院理学系研究科情報科学専攻修了。ソニーコンピュータサイエンス研究所、トヨタIT開発センター、ISID オープンイノベーションラボを経て、現在、株式会社クレスコ、技術研究所副所長。HCI が専門で、GUI、実世界指向インターフェース、拡張現実感、写真を用いたコミュニケーションなどの研究を行ってきている。

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