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ビジネスネットワークにERPと同じ潜在成長力--SAP傘下のコンカーCEO - (page 2)

末岡洋子 怒賀新也 (編集部)

2016-12-22 07:30

--ビジネスネットワークでは、技術や製品面で今後どのような強化を行っていくのか?SAPのコア事業に与える影響は?

Singh 歴史的にソフトウェア企業はすべてのソリューションを一社で提供しようとしてきた。われわれは、正しいモデルはすべての企業のイノベーションを受け入れ、提携して一緒に提供することだと考えている。これにより顧客は自社が使いたいものを選ぶ選択肢が得られる。そして、何を選択したかに関わらず統合する必要がある。アプリケーションがお互いに連携できれば、顧客体験を強化できるからだ。

 われわれが大切にしているオープンプラットフォームのモデルは、単なるソフトウェア企業を超えたモデルだ。提携により、企業は優れた体験だけでなく効率を提供できる。紙のレシートではなくデジタルの情報を受け取り、これをConcurの経費レポートに統合できる。われわれは日本を含む各国政府にデジタル化したレシートを認めるように働きかけており、政府も有効な書類と見なすようになっている。

 Concur、Ariba、FieldglassはSAPに統合されている。リアルタイムでコアのERPに提供されており、S/4 HANA、ECCを動かしている顧客はConcurを購入すれば自動的に環境に統合される。

Cherney 技術から見るとわれわれはクラウドファースト、モバイルファーストであり、クラウドへの最短距離だ。クラウドにマイグレーションする理由はコストを始めさまざまだが、どこをマイグレーションするのかとなると、中核のERPシステムではなく、旅費経費などを対象に部分的に始めるところが多い。われわれは顧客にとって安全かつスマートな選択肢となっている。

Singh SAPは今とてもエキサイティングな時期にある。ビジネスネットワークを含むクラウド事業は急成長しており、SAPの中核のビジネスも急成長している。大規模なグローバル顧客だけではなくSMBにもリーチが始まっており、顧客企業にはデジタル化を通じてビジネスをトランスフォームしようという強い動きがある。われわれはイノベーションを起こし、顧客を理解してインタラクションを進める。

--Oracleなど他のERPとの統合は?

Singh 可能だ。顧客には選択肢があり、それを実現するのがわれわれの仕事だ。Concurを購入した顧客のERPがOracleだったとしても、接続できる。

--InforがGT Nexusを買収し、ビジネスネットワーク分野に乗り出している。SAPのビジネスネットワークを選ぶ理由は?

Singh 全ての市場で競合がある。この市場は大きな市場であり、競合もこの市場に入りたいと思っている。

 顧客の多くは、最高の価値をもたらす最高の製品を選ぶ。われわれはラッキーなことに、市場をリードしている。われわれを選ぶ顧客が増えるとサプライヤーの数も増え、サプライヤーが増えると顧客も増えるというネットワーク効果が生まれるが、早期から展開しているので一定数の顧客もあり、この効果が出ている。これにより、さらなるイノベーションができる。

 Concurは85%のシェアを持つ。継続して機能の統合を進めており、最高のネットワークを目指している。Ariba、Fieldglassも同じ。競合を尊重しつつ、そこでリードしていく。

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