富士通とSAPジャパンはグローバル市場への展開を視野に協業する。
従来の統合基幹業務システム(ERP)での製造や販売、調達管理だけでなく製造パフォーマンス管理が可能なSAPの拡張サプライチェーンシステムと、富士通の多様な業種や業務に特化したものづくりに関するノウハウを活用し、両社で国内に提供していく。日本国内だけでなく、アジアや他の地域へグローバルに展開することを今後検討していく。11月24日に発表した。
今回の協業で富士通はSAPからソリューションに関する技術トレーニング、販売や導入時のサポートを受け、両社で積極的にシステムを拡販していく。
SAPは製造業向け拡張サプライチェーンシステムとして「SAP Manufacturing Execution」と「SAP Manufacturing Integration & Intelligence」の2つの製品を提供している。
Manufacturing Executionは、製造現場でのプロセス全体の管理やリアルタイムな分析、レポートを実行する。現場の生産オペレーションごとの製造実績や品質情報、トレーサビリティ情報を管理し、市場品質の確保と現場改善に向けた基盤を構築する。
Manufacturing Integration & Intelligenceは、製造実行システム(Manufacturing Execution System:MES)と生産ラインのデータを収集するシステム、制御装置や検査装置、ERPなどの基幹システムとの接続とデータ取集を可能にする。
リレー回路の代替装置として開発されたPLC(Programmable Logic Controller)や大規模なプロセス制御対象に対して複数のシステムで制御するDCS(Distributed Control System)、コンピュータでシステムを監視し、プロセスを制御する、産業向けのSCADA(Supervisory Control And Data Acquisition)も対象にしている。
両社はこれら2つの製品と富士通のノウハウを統合し、各部門に分断された業務データを販売から調達、生産、製造までサプライチェーン全体で連携させ、製造現場で発生するさまざまな事象を可視化する。