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日本株展望

日経平均の上値目途とリスク要因 - (page 2)

ZDNet Japan Staff

2016-11-25 11:15

レーガノミクス初年に倣う新年の株価波動(参考イメージ)

 11月18日の記事「トランプ相場の光と影」で解説した通り、「トランプノミクス(Trump次期大統領の経済政策)」は、「レーガノミクス2.0」(11月12日号のBarron’s紙)と称されほど、Ronald Reagan大統領(1981~88年)の経済政策に似ているとされる。そこで参考までに、同大統領就任初年(1981年)の日経平均の軌道を振り返ってみた(図表4)。

 当時は、リフレ策期待と財政赤字拡大観測を反映した「米長期金利上昇=ドル円上昇=日経平均上昇」が年央から夏ごろまで確認できた。

 さらに細かく株価の波動を振り返ると(1)1月21日にReagan大統領が所信表明演説をしたあたりが1つ目の山、(2)「Sell in May and go away(5月に売れ)」の季節性通りに5月初めが2つ目の山、(3)ドル円がピークをつけた8月ごろが3つ目の山、(4)米国株価が景気後退入りを嫌気して大幅調整した(米長期金利が低下してドル円も下落した)9月に日経平均も大幅調整、(5)日経平均は10月に底入れした後、年末に向け戻り歩調を辿った、との形状がみてとれる。

 ただ、当時の米国はスタグフレーション(インフレが高進する中での景気後退)に見舞われた経緯があり、最近の米経済実勢と異なる点も多いことが知られている。

 最近の金利水準は、当時より極めて低水準に留まっており、イールドカーブ(債券市場の利回り曲線)の形状は順イールドで、米経済が2017年にリセッション(景気後退)やスタグフレーション入りする可能性は低いと考えられる。こうした環境下では、米国株は底堅い動きが見込まれ、日経平均を下支えるものと考えられる。

図表4:レーガノミクス初年(1981年)の為替と日経平均推移

Bloombergのデータより楽天証券経済研究所作成
(出所)Bloombergのデータより楽天証券経済研究所作成(1981年初~1981年末)

潜在的なリスク要因に対する目配りも大切

 新年の米長期金利も、Trump次期大統領の政策期待が続く限り、ドル高を支援する動きとなりそうだ。この場合、日米の金利差拡大とドル円の堅調趨勢が見込める。例えば、前述した1981年の日経平均について、8月高値までの年初来騰落率(約13.5%)をあてはめれば、日経平均の新年の上値目途は2万円超までイメージできる。

 しかし、ドル円や日経平均を短期的に下落させるリスク要因にも目配りが必要だ。Trump次期大統領は21日、就任直後100日間で実施する「行動計画」をまとめたビデオ(2分半)を公開し、環太平洋経済連携協定(TPP)からの離脱をあらためて表明した。

 新政権による貿易、外交、移民政策には不確実性が多く、先行きの動きに予断を許さない。主要閣僚の顔ぶれに加え、選挙中に唱えていた強硬姿勢がどれだけ軌道修正されるのかを見極める必要がある。市場が「期待と現実のギャップ」に直面する場合、堅調を続けてきた米国株やドルはいったん下落。米長期金利は低下し、円が反転上昇する場面もありそうだ。

 その他のリスク要因を整理すれば、(1)長期金利とドルの上昇が、米国株のバリュエーションや業績見通しの重石となり、株価が反転調整する可能性がある、(2)新興国市場でドル建て債務拡大懸念が強まり、資金流出を加速させる可能性がある、(3)11月30日にウィーンで開催される石油輸出国機構(OPEC)総会で原油減産合意に至らず、WTI先物が大幅下落する、(4)12月4日にイタリアで実施される国民投票でRenzi首相が敗北し、退陣に追い込まれてユーロ懸念が再燃する、(5)Trump次期大統領は貿易赤字に敏感とされており、米国内製造業の輸出への影響を懸念してドル高を警戒する発言や姿勢に出る可能性がある、などを警戒すべきと考えられる。

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