テクノロジの活用や、大企業とのタイアップは世間から注目されるが、それだけで地域はすぐに活気づくものではない。田舎での仕事の場合、東京のオフィスの遠隔地からは、田舎の現場は見えにくい。一方、田舎の現場に移住、仕事の拠点を移さなければ、見えてこないことも多々ある。
横瀬町の富田能成町長が発表時に言っていた「外の人の力を借りる」「民間活力をダイナミックに投入する」ことは、田舎を盛り上げようと考えている多くの地域が既に行っていることだろう。
横瀬町を脇で支え、今回プロデューサーの立場で横瀬町を支えるリクルートも地方創生の取り組みの経験があり、その他「成功」地域の現場について深く関わりを持っていれば、わかっているはずだ。
短期間で活性化した地域は「どこもない…」と言っても過言ではないというのが実情だ。
来年3月末までの短期間で、「よこらぼ」は軌道に乗り始めることができるのだろうか。リクルートとの契約満了となる3月末以降、「よこらぼ」を継続するための施策も重要だ。横瀬町がリクルートや「よこらぼ」に投資した額は、田舎にとっては大きな額だ。
町は6カ月後の3月以降も、補助金なしでも継続できるスタートを切ることができるのか。町とリクルートにはそれだけの本気度があるのか。交付金期間 終了後の横瀬町やリクルートの取り組み「よこらぼ」がどこへ向かっているのか、両者の根気と熱い想い、そして交付金の有効活用に期待したいところである。
テクノロジの進化により、事業は遠隔からもできる時代だ。都会よりも、自然が豊かで“スロー”な環境のほうが、創造性や開発マインドがより機能することも多々ある。
フットワークが軽快な小規模の企業、個人事業主、フリーランスの人たちなど、社会性あるプロジェクトを実現する拠点として、東京から電車でわずか約1時間半から2時間圏内の横瀬町を選択してみてはいかがだろうか。
旧・芦ヶ久保小学校「あしがくぼ笑楽校」のシェアオフィス内
旧・芦ヶ久保小学校「あしがくぼ笑楽校」のシェアオフィス内。畳の部屋もある
旧・芦ヶ久保小学校「あしがくぼ笑楽校」のシェアオフィス内にある教室。