前編からの続きです。この後編では、データ処理/分析関連のサービスのアップデートをまとめていきます。
AzureがOpenAIの推奨クラウドプラットフォームに選定
OpenAIは、人工知能 (AI)のさらなる進展を目的として、2015年12月にイーロン・マスク氏らによって設立された非営利目的の研究機関です。
今回、AzureがOpenAIの推奨クラウドプラットフォームに選定されました。前編で紹介したNVIDIA GPUのVMインスタンス「Nシリーズ」を使い、数千台から数万台のVMでディープラーニングの研究をおこなっていくとのことです。OpenAIの成果に期待したいですね。
詳細は、Official Microsoft Blogのポスト「Advancing our ambition to democratize artificial intelligence」、OpenAI Blogのポスト「OpenAI and Microsoft」をご覧ください。

Microsoft AI and Research GrouのHarry Shumと、OpenAIのSam Altman
Azure Machine Learning:東日本リージョンで利用可能に
機械学習サービス「Azure Machine Learning」は、米国中南部、西ヨーロッパ、ドイツ中部、東南アジアリージョンで利用可能でした。
今回、東日本、米国東部2リージョンでもAzure Machine Learningが利用可能になりました。
詳細は、Cloud and Server Product Japan Blogのポスト「東日本リージョンでAzure MLの提供を開始」、Cortana Intelligence and Machine Learning Blogのポスト「Azure ML Available in Japan East and US East 2」をご覧ください。

Azure Machine Learningワークスペースの新規作成
Azure Bot Serviceのプレビューをリリース
3月のBuildカンファレンスで、Skype、Slack、Facebook Messengerなどさまざまなチャネルに対応可能なチャットボットを開発するためのフレームワーク「Microsoft Bot Framework」のパブリックプレビューがリリースされていました。Microsoft Bot Frameworkでは、C#やNode.jsなどで実装したWeb APIを、Azure、あるいは他の環境にデプロイする必要がありました。
今回発表されプレビューがリリースされたAzure Bot Serviceは、このMicrosoft Bot Frameworkと、今回GA(一般提供)になったサーバレスコンピューティングサービス「Azure Functions」を組み合わせたボットサービスです。
Azure Bot Serviceを使うと、Azureポータル内のUIで、ボットの開発、チャネルの設定、ボットの登録など、さまざまなタスクを行うことができます。Azure Bot Serviceは、Azure Functions上に構築されているので、自分でサーバを管理する必要がない、実際に呼び出された回数を基に課金されるといったAzure Functionsの利点をそのまま享受できます。
従来通り、Language Understanding Intelligent Service(LUIS)などのMicrosoft Cognitive ServicesのAPIを活用することで、ボットにインテリジェンスを組み込むこともできます。
Azure Bot Serviceは、東日本、西日本リージョンでも利用可能です。Azure Bot Serviceによって、ボットの開発と運用がますます簡単になりますね。
クロスプラットフォームのBot Frameworkエミュレータ(以前はWindowsのみに対応)やBot Builder SDKのアップデートなど、Microsoft Bot Framerowkには他にもいくつかのアップデートがあります。
詳細は、Azure Blogのポスト「クラウド初の『サービスとしてのボット』を Microsoft Azure からリリース」、Bot Framework Blogのポスト「Microsoft Bot Framework November Update – Cross Platform Emulator App, Enhanced Direct Line REST API, Updated SDKs, Card Types and new Azure Bot Service (Preview)」、記事「マイクロソフト、『Azure Bot Service』のプレビュー版を公開」をご覧ください。

Azure Bot ServiceのUI