編集部からのお知らせ
PDF Report at ZDNet:「ドローン活用」
「ニューノーマル」に関する新着記事一覧
日本株展望

米利上げを織り込み円安進行--利上げなしならどうなる? - (page 2)

ZDNet Japan Staff

2016-11-30 11:07

米インフレ率は上昇傾向にあり、利上げが適切

 米FRBが指摘している通り、米景気は回復、インフレ率が上昇しつつあり、利上げが適切と考えられる環境にある。

日米インフレ率(CPI総合指数の前年比変化率)の推移:2014年1月~2016年10月

(出所:ブルームバーグより楽天証券経済研究所が作成)
(出所:ブルームバーグより楽天証券経済研究所が作成)

 上記グラフが示しているのは、エネルギー価格変動の影響を含む、消費者物価指数(CPI)総合指数から計算されるインフレ率だ。2014、2015年には、日米とも原油価格の下落を受けてインフレ率が低下した。ところが、2016年に入り、米国のインフレ率は回復しているものの、日本は低迷している。ここに、日米の景気回復力の差が表れている。

 日米政策当局は、金融政策の指針として、総合指数ではなくコア指数を見ている。

日米のCPI総合指数、コア指数前年比変化率:2016年10月時点

(出所:日本は総務省、米国は米労働省)
(出所:日本は総務省、米国は米労働省)

 日銀は金融政策決定のための指標として、(生鮮食品の価格変動の影響を除く)コア指数を見ている。これで見ると、10月時点でマイナス0.4%だ。一方、米FRBは、(エネルギー、食品を除く)物価指数を見て判断している。CPIでいうと、(エネルギー、食品を除く)コア指数を見ていることになる。これは、10月時点でプラス2.1%だ。

 日米でCPIコア指数の定義が異なるので、総務省は、比較のために、米国と同じ方法で計算したコア指数も発表している(日本のコア指数と区別するために、コア・コア指数と呼んでいる)。日本のコア・コア指数は、10月時点でプラス0.2%だ。

 このように、インフレ率に差が出ていることから、日本は緩和的な金融政策を継続するのが適切で、米国は利上げを実施するのが適切な環境にあると言える。

12月2日発表の米雇用統計とTrump氏の発言に注目

 12月2日に発表予定の11月の米雇用統計が、利上げ判断に重要な影響を与える。米国は、実質的に完全雇用に近い状態と考えられており、よほど悪い指標が出ない限り、利上げの障害とはならないと考えられる。発表が近づけば、為替の動きはやや神経質となる可能性もある。

 米政府筋から横ヤリが入らない限り、12月の利上げは実施されるだろう。ただ、Trump次期大統領が、利上げやドル高に反対を表明していたことは気がかりだ。

 Trump氏は現在はまだ大統領ではない(1月20日に大統領就任)ので、今、FRBの利上げに反対を表明することはないと考えられる。

 それでも、万一、利上げを批判する暴言が出ると、為替市場に波乱が起こる可能性があるので、注意が必要だ。

 過去記事は、キーワード「日本株展望」から読めます。

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

特集

CIO

モバイル

セキュリティ

スペシャル

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNet Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]