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座談会@ZDNet

創造的破壊を目指せるか--次世代SIer座談会(1) - (page 3)

小船井健一郎 山田竜司 (編集部)

2017-01-26 07:00

 後藤氏アイレット株式会社の執行役員の後藤と申します。われわれはクラウドのマネージとサービスプロバイダーという運用・保守に加えて、顧客の代わりに設計・実装するという導入のコンサルもやっています。クラウド事業は、主にAmazon Web Survicesを僕らがパッケージングして、ラストワンマイルで手渡せば使えるようにしています。このように、今はどちらかというとクラウドの運用・保守を中心に利益をあげている。そんな会社です。よろしくお願いいたします。


アイレット(クラウドパック) 執行役員 エバンジェリスト 後藤和貴氏

 では、SIの変革が必要か。われわれは、そういうことをディスカッションすることはほとんどありません。なぜなら、もともと従来型のSIとは違うやり方をしているからです。まず、われわれの値段はもともと他社より安い。たとえばクラウドのインフラについては、初期費用なんてほとんどもらわない。運用前提、契約が続く前提でやってます。また、つくっておしまいではないし、結局責任は降りかかってくるので真剣にやれる。ですから、最近やっと「従来型のSIと違う」ということに気づきました(笑)。

いまのSIビジネスに対する認識

――今のSIビジネスへの認識をお聞かせ頂けますか。

 小野:SIはこの15年間ほどで、売り上げと利益がKGI(重要目標達成指標)、KPI(重要業績評価指標)になっているため、外部のビジネスパートナーにお願いする比率を高めてきました。われわれも例外ではなく、そのど真ん中に来ている。ただ、そういうやり方をすると、技術が空洞化する。これはわれわれの会社だけでなく、いろんな会社で実際にあることなんです。

 中島聡さんというWindows 95の開発に携わった方に「料理のレシピとソフトウェアの仕様書は似ている」という名言があります。料理の世界で鍋を振ったことのない人が書いたレシピなんて、美味しい料理になるわけがない。ソフトウェアだって同じです。開発したことがない人が書く設計書なんて信用できない。あるいはそういう人たちがレビューやプロジェクトマネージメントをするのはおかしい。

 日本で仕様書を書くのは、単価が安い現場の人たちです。「俺たちみたいな偉い上流は、もっと単価の高いことをやるんだ。プログラマーなんて早く卒業すべき下級職種で、これを3年以上もやっているなんて何事だ」というわけです。そういう中で、プログラマー35歳定年説みたいな話が出てきている。かつて、このやり方がワークしていた時期はあったかもしれませんが、これは長いことやるやり方ではないと思うんです。現場の人も技術力が付いてないのに、レビューだけしようとする。書いたこともないのにレビューなんてできるわけがないんだから、ある意味では気の毒ですよね。

 ですから、これは間違いだという認識に明確に立ったうえで内製化する。もう一度、自分のところできちっとつくれるようにする。日本のITの始まりは、外注先も何もなく、みんな普通に自分たちでつくっていた。しかし、いつの間にか建設業などの多重下請けのモデルが導入された。ある時期まではよかったのかもしれないけど、今それをやるのはおかしい。これからは自分のところでつくるようにして、内製化していく。美しい構造・設計を持つものとそうでないものには歴然とした差があるので、きちんと胸を張って「これは自分の作品だ」と誇れるようなSIをやっていく。そのために技術力を上げていこうとしています。

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