業務の中で機能を改善させたいアイテムを思い浮かべ、実際にそれがシステム自体に展開されるまでのフローを全部洗い出してみる。そうすると、自動化の部分ってほんの少ししかない。たとえば、企画から設計書に落とし込むとします。そのとき一番時間がかかるのは承認フローなんです。そういったところを全部見直してみると問題点を洗い出せるので、組織・体制の問題も見えてくる。まずは全員が「全体のプロセスを改善するとこうなる」ということを理解する。そのうえで少しずつ業務の改善・自動化のテストをやっていくと、全体の目標値やKPIが出てくる。それをしっかり意識して進めていくと、うまくいきます。

NTTコミュニケーションズ エバンジェリスト 林雅之氏
林氏:私の場合、2011年からグローバルクラウドビジョンというのを立ち上げ、毎年アップデートしています。今年のキーワードはSDx(Software-Defined)+Mです。「ソフトウェア ディファインドインテグレーション」をキーワードに、ソフトウェアでコントロールするアプローチをしています。クラウドデータセンターネットワークと、レイヤ横断的にソフトウェアでコントロールして、お客さんに最適なインテグレーションを売って、さらにマネージのサービスをつけるやり方です。
それに加えて、今高めようとしているのはグローバルでのインテグレーション能力です。製造業・サービス業の顧客がグローバルに事業を展開していく時、クラウドだけでもネットワークだけでも駄目で、ラストワンマイル(通信の業者と利用者を結ぶ最後の区間)までやらなきゃいけない。
そうしたうえで、全体の運用、保守までもやる。そういう能力が求められているので、実は日本側から各現法(現地法人)をコントロールしなければならない。そういった大規模案件を、どうやってインテグレーションするか。たとえばクラウドに対する意識も拠点によって差があるんですが、品質を維持するために日本側から展開できるように力を入れています。
第2回へ続く。