富士通、世界最速クラスの深層学習基盤と、業種・業務特化のAIサービスを発表

NO BUDGET 2016年12月01日 07時00分

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 富士通は11月29日、ユーザー企業のAI活用を加速させるサービス5種を開発し、12月より順次提供を開始すると発表した。富士通ではこれまでに、ユーザー企業の業務システムへのAI導入検討や実証実験を300件以上手掛けており、その中で明確化された、企業がAIを活用していく上で特に必要としている技術やノウハウをサービス化し、提供するものという。費用はいずれも個別見積。販売目標は2020年度末までに、AI関連ビジネスで累計売上3200億円。

 今回の新サービスは、同社が2015年11月に「Human Centric AI Zinrai(ジンライ)」として体系化したAI(人工知能)に関する知見や技術をベースに開発したZinrai関連サービスで、富士通ではこれらを、顧客のビジネス革新を加速する「FUJITSU Digital Business Platform MetaArc(メタアーク)」の中のサービスとして位置付けている。


MetaArcにおけるAIの位置づけ

 新サービス5種の概要はそれぞれ以下の通り。


サービス体系図
  • 「FUJITSU AI Solution Zinraiプラットフォームサービス」(2017年4月提供開始)
  •  Zinraiプラットフォームサービスは、AI活用に関連した300件を超える問い合わせやユーザー企業との実証実験から抽出された、特にニーズが高く、実用性の高いAI機能をAPIとして提供するサービス。学習モデル構築機能により、あらかじめ用意された学習モデルを活用するだけでなく、ユーザー自身で業務に必要となる新たな学習モデルを容易に生成することも可能。また、ディープラーニング基盤を必要とするケースに対しては、本サービスに含まれる世界最速クラスのディープラーニング基盤「Zinraiディープラーニング」も提供する。

     Zinraiプラットフォームサービスでは、AIの要素技術ごとに「知覚・認識」「知識化」および「判断・支援」の3分野に分類された21種の基本APIと、要素技術を利用シーン別に組み合わせ、ユーザー業務でのAI活用をより容易にする機能やナレッジで構成した9種の目的別APIを提供する。その中から必要なAPIを選んで利用することで、AI活用システムを迅速に実現できるという。

     第一弾として、「画像認識」「音声テキスト化」「知識情報検索」など7種の基本APIと、「需要予測」など2種の目的別APIを2017年4月より先行提供し、2017年度中に30種まで拡充する計画。


    Zinraiプラットフォームサービスが提供するAPI
  • 「FUJITSU AI Solution Zinraiディープラーニング」(2017年4月提供開始)
  •  Zinraiプラットフォームサービスの一環として、富士通研究所が開発したスーパーコンピュータの並列処理技術と高速なディープラーニング処理を実現するソフトウェア技術、および米国NVIDIA Corporationの最新GPU(Graphics Processing Unit)「NVIDIA Tesla P100」を実装することで世界最速クラスの学習処理能力を実現したディープラーニング基盤サービス。本サービスをベースとして、ユーザーごとに最適なAPIと組み合わせて利用することで、高速・高品質なAI活用システムを実現することが可能になる。

  • AI活用支援サービス群
  •  ユーザーのAI活用における企画から導入、運用までをトータルに支援するため、富士通のAI専任コンサルタントが顧客ごとの経営課題やニーズを元に最適なAI活用シナリオを導き出す「FUJITSU AI Solution Zinrai活用コンサルティングサービス」(2016年12月提供開始)と、AIを活用したシステムの短期間での設計、構築を支援する「FUJITSU AI Solution Zinrai導入サービス」(2017年2月提供開始)、AI導入後の学習モデルのメンテナンスを行う「FUJITSU AI Solution Zinrai運用サービス」(2017年4月提供開始)を提供。

     富士通では今後、AIの活用領域のさらなる広がりを受け、富士通研究所が中心となって開発したAIの要素技術のさらなるAPI化を推進するとともに、通信の端末やロボット、自動車などのエッジデバイスでのAI活用を強化するため、Zinraiプラットフォームサービスにそれらの機器への学習済モデル配信機能を実装していくとのこと。また、AI活用システムを自社内に構築したいユーザー向けに、Zinraiのハードウェア、ソフトウェア、サービスをパッケージ化したオンプレミス商品を提供していく。

     さらに、スーパーコンピュータ「京」で培われたプロセッサ開発技術と最先端のCMOSテクノロジを採用した、独自のディープラーニング専用AIプロセッサ「DLU」(Deep Learning Unit)の開発を進め、2018年度からの出荷開始を目指すとしている。

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