研究現場から見たAI

何でも「人工知能」と呼ばれてしまうその理由--AIブームの功罪

松田雄馬 2016年12月22日 07時00分

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 数年前から「人工知能ブーム」に火がついて以来、ニュース記事で「人工知能」という言葉を見ない日はない。しかし、「人工知能」という言葉は数多く使われている一方で、至る所で見る「人工知能」に関する説明は、その場その場で異なっており、これが、人工知能への理解を難しくしている。

 「人工知能」の説明が難しい最大の理由は、われわれが、「知能」のことをまだよく理解していないからである。だからこそ、 本連載では、知能とは何なのか繰り返し考察してきた。本コラムでは、これまでの議論を踏まえたうえで、現在の「人工知能ブーム」とは何なのかについて、再び考えてみたい。


何でも「人工知能」と呼ばれてしまうその理由

 「人工知能が小説を書いた」

 「人工知能が作曲をした」

 「経営判断を下す人工知能」

 「あなたの進路、人工知能に委ねませんか?」

 こういった記事を毎日のように目にしていると、まるで「人工知能がわれわれの社会を支配してしまうのではないか」という恐怖感を感じる人が少なくない現状も、理解できなくない。特に、ニュース記事というものは、読者の目を引くタイトルでなければ読んでもらえないということもあり、どうしても、期待感や恐怖感を煽るように書かざるを得ないというのも事実であろう。

 その証拠に、これらのタイトルの記事が、もし、以下のように書いていたとしたら、どれくらいの人が読むだろうか。

 「日本語を確率的に並べ替える機械を使いながら、研究者が小説を書いた」

 「作曲ツールを使って、人間が作曲をした」

 「経営判断に悩んでいて、ウェブで検索したら、ヒントが見つかった」

 「希望する会社の条件を幾つか選択して検索したら、条件に合う会社がマッチした」

 若干乱暴な言い換えではあるが、大きく外れているわけではないのではないかと思っている。このように、多くの場で「人工知能」と言われているものの多くは、これまで「ITシステム」や「ウェブ検索」と言っていたものを言い換えているに過ぎないのである。

 こうした言い換えをする理由の1つは、「人工知能」というものが、バズワード(流行語)の1つであり、多くの人の目を引くというのが理由であろう。

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