AWS re:Invent

AWS、開発や運用の自動化など促す複数の新ツール発表

Stephanie Condon (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2016-12-02 11:36

 Amazonの最高技術責任者(CTO)Werver Vogels氏は米国時間12月1日、Amazon Web Services(AWS)がラスベガスで開催している年次カンファレンス「re:Invent」の基調講演で、開発と運用の自動化を促進する新たなツール群を発表した。この記事では、その際紹介されたツール群を一通り紹介する。

 「AWS OpsWorks for Chef Automate」はフルマネージド型の「Chef」サーバだ。Vogels氏によれば、この製品は、連続的なデプロイメントと、コンプライアンスやセキュリティのための自動化されたテストの実施ワークフローの自動化を行うものだ。Chefサーバを利用すれば、ソフトウェアやOSの設定、パッケージのインストール、データベースのセットアップなどの運用タスクを処理することができ、フルスタックの自動化が可能になる。

 「EC2 Systems Manager」は、パッケージのインストール、パッチ適用、リソース設定、タスクの自動化を行うためのツール群だ。

 一方、「AWS CodeBuild」は、クラウドで提供されるマネージド型ビルドサービスで、「CodeCommit」と「CodeDeploy」の間のギャップを埋め、ソースコードのコンパイル、テストの実行、導入用ソフトウェアパッケージの作成を行う。AWS CodeBuildはビルドボリュームを十分にスケーリングさせ、複数のビルドを同時に処理することができる。料金は分単位で課金される。

 運用関連では、本番環境で使用されている分散アプリケーションをデバッグできるようにするフルマネージド型サービスである「AWS X-Ray」が発表された。Vogels氏によれば、X-Rayを利用することで、「問題が発生している可能性のある個別のサービスを特定することができる」という。

 また「AWS Personal Health Dashboard」は、顧客の利用しているAWSサービスに合わせて、AWSのリソースやシステムイベントの状態を可視化するものだ。

 「AWS Shield For Everyone」は、AWS上で実行されているウェブアプリケーション向けにデフォルトで適用されるセキュリティレイヤで、ユーザーはこの保護を適用するために何か手動で操作を行う必要はない。またVogels氏は、その上位サービスである「AWS Shield Advanced」を利用すれば、大規模で洗練された攻撃に対する追加的な保護が得られると同時に、分散型サービス妨害(DDoS)攻撃からの保護を強化すると述べている。

 Vogels氏は、新しいアナリティクスツールである「Amazon Pinpoint」の発表も行った。これは、開発会社がモバイルアプリに対するユーザーのエンゲージメントを向上させるためのものだ。このツールを使えば、開発会社はモバイル顧客の行動を分析し、特定の顧客にプッシュ通知を送ってエンゲージメントを高めることができる。

 「AWS Batch」はあらゆる規模に対応できる、フルマネージド型のバッチ処理サービスだ。Vogels氏によれば、このサービスによって、「これで非常に大規模なデータ処理に存在する面倒ごとについて心配する必要がなくなる」という。

 「Blox」はコンテナの管理とオーケストレーションのための、オープンソースプロジェクトを集めたものだ。

 また「Lambda@Edge」はLambda関数をCloudFrontで実行するものであり、「AWS Step Functions」は、可視化されたワークフローを使って、分散アプリケーションのコンポーネントを連携させることができるツールだ。

 データアーキテクチャのコンポーネントを連携させるツール「AWS Glue」は、フルマネージド型のデータカタログで、データストア間でのデータ転送を簡単に行うことができ、データの発見、変換、マッピング、ジョブスケジューリングの作業を単純化、自動化してくれる。AWS Glueは、「S3」「RDS」「Redshift」に統合されており、また任意のJDB互換データストアと接続できる。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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