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日本株展望

どうなる!? 世界経済と企業景況感の行方

ZDNet Japan Staff

2016-12-02 12:37

今日のポイント

  1. 世界の経済成長率見通しは米財政出動への期待を反映して上方向き傾向。ドル円相場の回復基調とともに、世界の景気敏感株」と称される日本株式には追い風に
  2. 中国の李克強指数は、中国の景況感が循環的に底入れしていることを示す。構造改革や内需主導型経済へのシフトは急がれるものの、景気の底割れリスクは後退している
  3. PMI(購買部指数)は、日米中の製造業とサービス業の業況感改善を示唆。年前半の低迷からは回復し、新年の企業業績は増益率拡大に

 これら3点について楽天証券経済研究所シニアグローバルストラテジストの香川睦氏の見解を紹介する。

世界経済は徐々に上向いている

 日本株の堅調を支える要因として、世界の景況感が改善していることが挙げられる。経済協力開発機構(OECD)が11月28日に発表した最新予想によると、主要国の実質成長率は2017年と2018年に上向く見通しだ(図表1)。

 Trump次期大統領が計画する大減税やインフラ整備を中心とした公共投資の効果が波及し、世界経済の回復に弾みがつきそうだ(世界の実質成長率は2016年の前年比プラス2.9%から2017年はプラス3.3%、2018年はプラス3.6%へとやや加速予想)。

 米国、欧州、日本、中国の成長率見通が前回(6月時点予想)よりすべて上方修正されている点に注目だ。11月29日に発表された米国の7~9期の実質GDP成長率(改定値)も前期比年率プラス3.2%と速報値(プラス2.9%)から上方修正された。雇用環境改善を背景に米経済の原動力である個人消費が堅調だった。

図表1:世界経済は徐々に上向いている
図表1:世界経済は徐々に上向いている
OECDによる世界経済見通し<最新版>

「李克強指数」でみる中国の景況感

 世界のGDP規模で米国に次ぐ第2位を占める中国経済の動向に注目してみよう。昨年の夏以来、市場が“チャイナリスク”(中国の経済危機)を警戒した一因として、中国政府の国家統計局が発表するGDP統計が経済実体を把握できていないとの不安があった。そこで、中国の景気動向を知るため「李克強指数」が用いられることがある。

 李克強指数とは、現首相の李克強氏が2007年に遼寧省党委員会書記に就任した際、電力生産量、鉄道輸送量、銀行融資残高の3つの指標を組み合わせ、当時の遼寧省の経済状況を的確に分析し、英The Economist誌が2010年に紹介。「GDP統計と比較して中国経済の動向を知る上で信頼性が高い指数」として有名になった。中国の景況感が重厚長大産業を中心に安定化の兆しをみせる中、李克強指数は約3年ぶりとなる水準に回復している(図表2)。

 中国が安定成長を続けるためには、地方や金融機関の不良債権問題などを処理する構造改革を進める必要があり、輸出や重厚長大産業への依存を減らし、個人消費など内需の成長が求められる。とは言え、政府主導による公共投資の効果でも中国経済全体が循環的に底入れしてきた状況は、世界経済にプラスと考えられる。

 このように、米国や中国など世界の景況感改善と円安傾向は、海外勢(外国人投資家)が日本株投資に前向きとなるカタリスト(契機)になりやすいと考えられる。財務省の統計によると、海外勢(外国人投資家)は、日本株式を10月以降総計で約2兆円買い越してきたことが確認されている。リスクオン(リスク選好)に転じた海外勢が日本株投資に前向きとなってきた背景が外部環境にみてとれる。

実質GDP成長率予想=中国ナウキャスト月次GDP(前年比)
図表2:実質GDP成長率予想=中国ナウキャスト月次GDP(前年比)
(出所)Bloombergのデータより楽天証券経済研究所作成(11月末時点)

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