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AWSのアナリティクスとAIの新サービスが大ヒットする理由 - (page 2)

Doug Henschen (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2016-12-13 06:00

QuickSightに対する個人的見解:バックエンドに関して言えば、2015年の発表を元に筆者がQuickSightに期待したほど簡単にはデータ構造を解釈できるわけではなかった。データを読み込み統合するには、前処理フィルタやさまざまなコネクタ、テーブル結合UIを使う必要があり、これらはパワーユーザー向けのツールと言うべきものだった。これはセルフサービス式の基礎的な前処理ツールと呼ぶべきもので、自動的な処理と言うにはほど遠いのが現実だ。2015年には、EMRのような非構造化データソースの読み込みが可能になると公約されていたのだが、今回のプレスリリースでは省かれていたところを見ると、おそらくまだ開発中の段階なのだろう。フロントエンドの分析に関しては、当初はZoomDataの技術を使うことが予定されていたが、これは開発過程のいずれかの段階で中止になったようだ。8月にQuickSightのベータ版のデモを見た際、Amazonの幹部から、今後積み上げグラフや、面グラフやバブルチャートなどを含む、一般的な可視化のタイプを追加すると聞いたが、これは一から作業をやりなおしていることを裏付けている。


画像認識サービス「Amazon Rekognition」

 要するに、QuickSightはまだ改良の余地のある、開発中の段階にあるサービスだと考えるべきだ。とはいえ、最大1Gバイトまでのデータを使用できる無料サービスが存在するのに加え、Standard Editionの費用が1ユーザーあたり月額9ドルで、10Gバイトまでのデータを分析できることを考えれば、QuickSightが広く利用されることは明らかだし、顧客に提供されるサービスも今後改善されていくはずだ。これは、Microsoftの「Power BI」が辿ってきた経緯に似ている。どのフリーミアムサービスでも(Power BIとQuickSightだけでなく、IBMの「Watson Analytics」もそうだ)、より強力で、機能が充実したBIサービスが必要になる余地が必ず残されていることも念のため記しておく。

Rekognition、Polly、LexのAIサービス:2016年のre:Inventでは多くのAI関連の発表が行われ、AWSのCEOであるJassy氏は、re:Inventの参加者に対して、Amazonには小売サイトにレコメンデーションエンジンが出現した初期の頃から、AIに取り組んできた実績があることを改めて強調している。Amazonは今回、AWSに3つの新サービスを投入し、社内で使用している機能をクラウド開発者に解放した。Amazon Rekognitionは、画像中のもの(車、鉛筆、猫など)や場面(屋外、山、森など)、顔(男性、女性、男子、女子)を検出する画像認識サービスだ。このサービスは、写っている人の感情(笑っている、顔をしかめている、怒っているなど)も検知することができ、トレーニングを行えば、顔認識も行える(これはJeff Bezos氏で、あれはSatya Nadella氏だ、など)。Amazon Pollyはテキスト読み上げエンジンで、カンファレンスのデモから判断する限り、かなり流暢な、自然な話し方での英語の読み上げが期待できる。LexはAlexaを利用したサービスで、音声認識および自然言語解析サービスだ。Amazonは2年近くにわたって、数百万人のAmazon Echoの顧客と交わした数十億件の会話を使ってこのサービスのトレーニングを行っている。

Rekognition、Polly、Lexに対する個人的見解:GoogleとMicrosoftも2016年に類似のサービスをリリースしている。しかし、クラウドサービスとしてはもっとも後発とは言え、Amazonがこれらの機能に長年取り組んできているというJassy氏の指摘は正しい。筆者が特に興味があるのは、特定のアプリケーションの文脈に対応するために、どの程度のトレーニングが必要なのかだ。AWSは、LexとPollyを使った、自然言語ユーザーインターフェースによる航空会社のフライト予約アプリのデモを行った。会話の解釈には組み込みの知識グラフを使用しており、顧客が独自のメタデータを追加することもできるという。これを利用するのであれば、アプリを作成し、APIを組み込む以上の作業が必要になることは明らかだ。

 まもなく、各大手パブリッククラウドプロバイダから、AIを使った革新的なアプリが数多く出てくるだろう。Googleにはデータと検索エンジン、そしてAndroidという優位性がある。しかしAmazonには、サービスラインアップの充実度はもちろん、クラウド開発者からの評価の点でも大きなアドバンテージがあり、好調なスタートを切ることができると考えられる。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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