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富士通研究所、大規模ストレージを高速化するインメモリ重複除去技術を開発

NO BUDGET

2016-12-08 07:00

 富士通研究所は12月5日、SSDなどのフラッシュデバイスを複数用いた大規模・高速ストレージシステムであるオールフラッシュアレイ向けに、高速な、インメモリのデータ重複除去技術を開発したと発表した。本技術により、データ書き込み時の応答速度が従来方式より最大2倍高速なストレージシステムが実現可能となり、仮想デスクトップの反応速度向上やデータベース処理を高速化できるという。今後は、オールフラッシュアレイのさらなる高速化技術の開発を進め、2017年度以降に富士通のストレージ製品への搭載を目指すとのこと。

 近年、オールフラッシュアレイでは容量を有効活用するため重複除去技術が搭載されているが、複数のストレージ装置をネットワーク経由で用いる場合には書き込みのたびに重複データ検索を行うため、その重複除去処理がオーバーヘッドとなって応答速度が低下するという課題があった。


オールフラッシュアレイのストレージシステムと重複除去

 今回開発した技術は、既存方式では書き込み前に重複除去を行うのに対し、データ書き込み後に重複除去を行うことで応答速度の低下を抑えるという手法を採用。この新手法ではメモリへの書き込みが2回行われることになって全体の処理性能が低下するため、動作状況をモニタしつつ、状況に応じて自動で既存手法との切り替えを行う技術も盛り込んだ。


開発したインメモリ重複除去技術

 それぞれの技術の詳細は以下の通り。

低負荷時の応答速度を向上させる新方式の重複除去技術

 今回開発した新しい重複除去技術では、オールフラッシュアレイを構成するストレージ装置が連携して、空いているメモリ(キャッシュ)に書き込みデータをいったん保持することで書き込みを完了させ、応答速度を向上させる。その後、サーバがメモリからのレスポンスにより次の書き込み作業のための準備を進めている間に、並行してストレージ装置間で通信を行って重複データを検索し、重複を除去してSSDへ最終的に書き込む。これにより、ストレージシステムのネットワーク負荷が低いときには書き込み時の応答速度が最大で2倍向上する。

2つの異なる重複除去手段を動的に切り替える応答速度の最適化技術

 後から重複除去を行う手法は、ストレージシステムのネットワーク負荷が低い場合は従来方式に比べて高速な応答速度になるが、負荷が高いときにはネットワークが混雑し、装置をまたがったデータ書き込み時間が長くなることで、従来方式より応答速度が遅くなる。


ネットワーク負荷による書き込み応答速度の低下

 そこで、応答速度の最適化技術も開発している。具体的には、重複除去を行った後に書き込みを行う応答時間の変動が少ない従来手法と、応答時間が変動する新しく開発した重複除去手法の2つの手法のうち、実際の応答時間を計測した履歴を基に、平均的な応答時間の期待値を計算することで、応答時間が短くなる手法を自動的に選択するというもの。本技術により、時々刻々と変化するシステムの状況に応じて、最適な手法を自動的に選択することで、システム全体の応答時間を短縮することが可能となる。


開発した方式によるレスポンス性能向上

 これらの技術を用いてfio(flexible I/O tester)ベンチマークを行ったところ、従来と比べて約2分の1の最短レイテンシを実現できたとのこと。すなわちデータ書き込み時の応答時間が最大2倍高速化されることになる。

 例えば、小さなファイルアクセスが大量に発生し、重複も多い上に、高い書き込み速度が要求される仮想デスクトップシステムやデータベース処理などの用途においては、サービスを受けているユーザーのアプリケーションを高速化し、ユーザーエクスペリエンスを向上させることができる。また、業務データベースのバックエンドストレージに適用することで、業務システムを高速化し、ITインフラの集約を進めることができるようになる。

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