イノベーションとディスラプションを促進する能力。少なくとも47％のCIOが、「イノベーションとディスラプションを促進する」ことが、成功に不可欠な能力だと述べている。ところが調査では、43％が「この不可欠な能力が、IT部門に現在備わっていないか、能力を構築する過程にある」ことを認めている。技術主導の破壊的イノベーションをあらゆる面から進める必要があるこの時代においては、これは致命的なギャップであり、ITリーダーはイノベーションを促進するために主導的役割を果たす必要がある。
人材と文化を育てる能力。45％のCIOが、人材を引きつけ、動機付け、獲得する能力が成功に不可欠だとしている。突き詰めると、理想的なのはスタートアップのコミュニティでよく見られる、技術主導のイノベーション文化だ。Mercer氏とLillie氏は、今回の調査で実施したインタビューの過程で、「多くのCIOが人材の問題に言及した。長年の間凡庸な能力の強化が期待されてきたことや、困難な判断を行うことに対するためらいがあること、適切な人材を確保し、適切な能力を身につけさせることができないことなどの課題が挙げられたが、これらはすべて、最適ではないIT文化をもたらす可能性がある。話をしたCIOの多くは、積極的に組織文化を創ることや、場合によっては組織文化を変革する手段を検討していた。これは、能力の高い人材を維持するためには、こうしたプロフェッショナルを支え、後押しし、引きつける文化が必要であることを理解しているからだ」と述べている。
Mercer氏とLillie氏は、これらの能力を伸ばすためのアドバイスをいくつか挙げている。
- 明快かつシンプルなコミュニケーションを心がける。「ビジネス上の価値をもたらすための、明確で曖昧さのない目標を設定し、その目標を達成する方法をはっきりと述べることだ」と同氏らは勧めている。「ビジョンは複雑である必要も、壮大である必要もない。IT部門のスローガンや、IT部門の役割を明確に伝える、シンプルな表現でよい」
- 人間関係を構築し、つながりを作る。「CIOは影響力を高め、それを維持するためには、鍵となる利害関係者と人間関係を構築し、継続すべきだ。経営陣、企業、あるいは業界の内側や外側で、協力関係やパートナーシップを結ぶ必要がある」
- 人材に投資する。「CIOが1人でレガシーを築くことはできない。CIOが育てるIT活用能力、チーム、人材が、レガシーにおいて基本的な役割を果たす」
- デジタルについて再検討する。「CIOはほかのリーダーと協力しながら、ビジネスの文脈を考慮して『デジタル』を定義すべきだ」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
