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内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」

IT部門の高齢化問題への対処 - (page 2)

内山悟志 (ITRエグゼクティブ・アナリスト)

2016-12-14 07:30

ベテラン人材のモチベーション

 ベテラン人材のモチベーションについて考えてみましょう。

 ベテラン人材やITスタッフに限ったことではありませんが、企業組織の中で仕事するうえで一般的に重視されるモチベーションの源泉には、(1)報酬、(2)ポジション(役職)、(3)社内的評価、(4)活躍の場の4点があげられます。

ベテラン人材のモチベーションの源泉(出典:ITR)
ベテラン人材のモチベーションの源泉(出典:ITR)

 この中で(1)と(2)は、社内の人事制度などで形式的な対応を取ることは可能ではありますが、IT部門単独で実施できるものではなく、経営者や人事部門を巻き込んだ取り組みが必要となるでしょう。また、闇雲に報酬や役職を与えることは、組織全体を見た時に必ずしもモチベーションを高めることには結びつかないという指摘もあるでしょう。

 (3)の社内的評価は、自分が周囲からどのように見られているかということであり自尊心を守りたいという気持ちの表れともいえます。(1)と(2)が整えば、ある程度の満足が得られる場合が多いと考えられますが、前述のように専門職を正当に評価しない企業文化や意識が根強く残る組織の場合は、さらなる工夫が必要となります。

 報酬や役職にかかわらず、仕事のやりがいをモチベーションの源泉とする人もいるでしょう。再雇用人材などの場合には、(1)の報酬や(2)ポジション(役職)への期待が必ずしも大きくなく、むしろ自分が必要とされているという認識がモチベーションの維持につながるというケースも考えられます。突き詰めていくと、多くの従業員、とりわけ長年その企業で経験を積んできたベテラン人材にとって、(4)の活躍の場が最も重要なモチベーションの源泉となると考えられます。

 それと同時に、多くの企業で最もネックとなっているのがベテラン人材に「(4)活躍の場」をいかに提供するかという点ではないでしょうか。これに対して、人事ローテーションを活用する方法が考えられます。

 多く取り組まれている方法としては、グループ企業や海外事業所のIT部門への出向、グループIT子会社への転籍、ユーザー部門のIT責任者への異動などがあります。これらについては、受け皿となる組織の中で、本人の活躍の場があれば有効な方法といえ、このような人事ローテーションの形態を前回述べたように「噴水モデル」と呼んで推奨しています。

内山 悟志
アイ・ティ・アール 代表取締役/プリンシパル・アナリスト
大手外資系企業の情報システム部門などを経て、1989年からデータクエスト・ジャパンでIT分野のシニア・アナリストとして国内外の主要ベンダーの戦略策定に参画。1994年に情報技術研究所(現アイ・ティ・アール)を設立し、代表取締役に就任。現在は、大手ユーザー企業のIT戦略立案のアドバイスおよびコンサルティングを提供する。最近の分析レポートに「2015年に注目すべき10のIT戦略テーマ― テクノロジの大転換の先を見据えて」「会議改革はなぜ進まないのか― 効率化の追求を超えて会議そのもの意義を再考する」などがある。

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