Qualcommは、Googleが開発しているモノのインターネット(IoT)向けOS「Android Things」をモバイルプロセッサ「Snapdragon」に組み込むため、Googleと連携することを明らかにした。
この提携により、スマートホーム、IoT、スマートシティの普及において、Googleは今よりはるかに重要な役割を担うブランドとなる可能性がある。両社の協業が成功するなら、IoTネットワーク各所のプロセッサに「Android」が組み込まれることになる。ここで留意すべきは、Qualcommが10月にNXP Semiconductorsの買収を発表したことだ。この買収の狙いは、スマートフォンから車や住宅まで、さまざまなコネクテッドデバイスに進出することにある。
GoogleはAndroid Thingsの開発者プレビュー版をブログで発表した。Microsoftもすでに、ARMとIntelのプロセッサで動作する「Windows 10 IoT Core」を発表している。
Qualcommはプレスリリースで、Googleとの連携は「消費者向けと産業向けの応用」の両面で開発に注力するものだと述べた。両社の協業により、Qualcommの持つ規模とGoogleが抱えるAndroid開発者コミュニティーを活用することが可能になる。
Qualcommによると、開発者プレビュー版の段階にあるAndroid Thingsは、2017年にもSnapdragonプロセッサに組み込まれる予定だという。以下の図は、Android Thingsのスタックを示したものだ。
ただし、IoTのネットワークにおいてAndroid Thingsが本当に重要な存在になるかどうかは、現時点ではわからない。Amazonと傘下のAmazon Web Services(AWS)は、クラウドとセンサ群を中心とした異なる構想を描いている。AWSのアイデアは、店舗や社内にあるインフラが、その敷地内にあるセンサやモノを検知することを想定する。結果として、クラウドは処理を担う実質的なOSになる。
「AWS re:Invent」カンファレンスでAWSは「Greengrass」というソフトウェアとIoTデバイスを使った仕組みについて説明した。これらはローカルで動作し、データをセンサに近い場所に保管して、そのあとでデータをクラウドに送信して処理できる。AWS Greengrassはさまざまなデバイスに組み込まれる見込みだ。
AWSの構想は以下のようになっている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。