ところでHanselman氏は、「デバイスは命令を与えようとしている時以外でも、聞き耳を立てている」と指摘している。
では、音声操作可能なシステムは、与えられた命令が正当なものかどうかを、どう判断するのだろうか。
例えば、自宅にAugustのスマートロックを取り付けた人がいるとしよう。このスマートロックはBluetoothとAppleの「HomeKit」経由で操作可能で、Siri経由で音声コマンドを受け付ける。この人が、自宅のHomeKitデバイスを操作するためにリビングに「iPad Pro」を置いたとしよう。
Forbesは、「不幸なことにこの仕組みは、スマートホーム技術がどのように悪影響を及ぼす可能性があるかを示す、教科書的な大きなセキュリティホールをもたらした」と述べている。「この仕組みでは、小麦粉を借りるために来た近所の知り合いが大声で『Siri、玄関の鍵を開けろ』と大声で叫べば、家の中に入れてしまう」
音声認識と音声認証の間には大きな違いがあるのだ。
さらに、人間の発言を編集可能にするAdobeのプロジェクトである「VoCo」について考えてみてほしい。VoCoを使うと、対象となる人の音声を十分に集めれば、その人の声でどんな発言でも合成できるのだ。言葉を文字で入力すれば、音声を出力できる。
VoCoはまだ概念実証段階だが、それでも音声認証の賞味期限について考えざるを得ない。
一方これで、小麦粉が切れてしまったときには便利な世界が来るかもしれない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。