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金融革命 FinTechがもたらす未来

2017年のFinTech--イノベーションを実現するための6つの論点 - (page 3)

村上隆文(アクセンチュア戦略コンサルティング本部)

2017-01-01 08:00

伝統的金融機関の構え方--金融イノベーションの難所


(図表2)イノベーション創出の3つのタイプと成功要件(出典:アクセンチュア)

 自己否定、自己変革を通じた金融イノベーションは、これまで伝統的金融機関が求められてきた安定性・堅牢性とは真逆の行動様式である。元来、金融機関は、信頼が絶対視されるビジネスを低コストで担う特性から、不確実性や異例扱いの行為は想定しえず、厳格なルールをもって組織全体を統制する傾向が強い。

 このような特性を持った伝統的金融機関が、既存事業との競合や、不確実性の高い市場に、決意とスピード感をもって打って出るためには、それ相応の仕掛けが必要であろう。金融イノベーションにはレベル観があり、そのレベルごとに求められるケイパビリティが異なることを理解して取り組む必要がある(図表2)。

(1)Familiar領域の抜本的改善

 新技術を社内で活用し、既存ビジネスにおける収益機会の抜本的向上を図るレベル。求められるケイパビリティとしては、現場課題を吸い上げる能力や適用可能技術に関する見識の蓄積などが求められる。中でも顕在化しているニーズ、シーズの可視化とマッチング能力が重要となる。

(2)Unfamiliar領域への進出

 既存事業領域での新規ビジネスモデル構築・収益多様化に向けて、他業態モデルの流用を図るレベル。求められるケイパビリティとしては、他業態ビジネスモデルの洞察力、自行ビジネスへの転用余地や進出成否の見極め能力が求められる。流用時のマネタイズスキームの組成能力が重要となる。

(3)Uncertain領域の可能性模索

 市場・ビジネス自体の創出と新たな収益源の獲得を図るレベル。求められるケイパビリティとしては、顧客潜在ニーズ、シーズに関するポテンシャルの把握と事業アイデアの創造と蓄積、そして投資ポートフォリオとしての実行管理能力が重要となる。

 従来型の確実性とコスト効率を意識した投資が引き続き求められる中、このような新たな仕掛けを内包する組織に転換できることが、FinTech隆盛の中、金融イノベーション競争で勝ちあがるための必須要件である。

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