「日本経済をけん引する技術系女性の輩出」を目標に掲げ、女子向けのSTEM(科学、技術、工学、数学)教育や技術分野の活動を推進する非営利活動「Girls in Tech Japan」の日本支部が本格活動を開始する。
技術系に関係なく女性の活躍が少ないと指摘される日本で、技術系女性のみならず、起業家、技術に興味がある女性向けのプラットフォームとなることを目指す。
ダイキン工業のテクノロジー・イノベーションセンターに勤務する研究者、加藤愛子氏が代表を務める
Girls in Techは2007年に設立された米サンフランシスコを本部とする国際的な活動。すでに米国、欧州、アフリカなど63支部ができており、参加人数は5万人に及ぶ。日本支部の設立は3月で60番目。ダイキン工業のテクノロジー・イノベーションセンターに勤務する研究者、加藤愛子氏が代表を務める。Girls in Tech Japanとしては加藤氏のほか、NTT日本の張氏がメンバーとなり、それ以外はボランティアより活動支援を受ける。
12月16日、都内でGirls in Tech Japanの活動を紹介した加藤氏はまず、Girls in Tech設立の背景として、世界的に技術系企業における女性リーダーが少ない事実を指摘した。「米国でも10%台にとどまっており、全世界の課題になっている」と加藤氏。設立者で最高経営責任者(CEO)を務めるAdriana Gascogne氏は、女性と技術に加え、起業家精神も課題に掲げているという。
この日、ビデオメッセージを寄せたTEDスピーカーでForbesの最も影響力のある女性(技術分野)に選ばれているSandy Carter氏も、「技術はあらゆることの土台となっており必須だ。だが科学、数学の高等教育を志す女性の比率は減っている」と課題を指摘した。女性起業家も14~17%と少なく、投資側を見ても女性は7%以下にとどまっているという。一方で、「女性は75%の購買決定権を持っているのに」と矛盾を突いた。
世界でも技術企業における女性リーダーは少ない
Girls in Tech Japanのミッションは「日本経済を牽引する技術系女性の輩出」。具体的には、Empowerment(自己啓発)、Engagement(場や機会の提供)、Education(教育)と3つのEを主軸に活動を展開するという。