企業はマシンデータアナリティクスをどのように利用しているのだろうか?451 Researchはその利用実態を調査し、「The Need for Speed: Machine Data Analytics in 2016-17」(スピードに対するニーズ:2016~2017年のマシンデータアナリティクス)と題した新たなレポートに結果をまとめている。それによると、ほとんどの回答者がマシンデータアナリティクスを自社のIoTプロジェクトで活用しているという。

同レポートによると、IT部門の意思決定者の大半はマシンレベルの応答性を有したリアルタイムのデータアナリティクスを望んでいるものの、回答者の53%は自社が使用している現在のテクノロジでは人間レベルの応答性すら達成できないと答えているという。
スペインのIT企業であるLogtrustの依頼によって実施されたこの調査は、マシンデータアナリティクスに関してアドバイスする、あるいはその選択に直接携わる立場にある企業幹部200人を対象にしたものだ。451 Researchは、マシンデータアナリティクスを「マシンやウェブサーバ、モバイル機器、センサ、その他のスマートデバイスによって生成されたデータの分析支援に特化した、比較的新しいテクノロジ」と定義している。
この調査の目的は、マシンデータアナリティクスの普及状況と成熟度合いを把握するとともに、既にマシンデータアナリティクスを利用している企業が考えている利点や課題、将来的な機会を把握するところにある。
ほとんどの回答者(94%)は既にマシンデータアナリティクスを利用していると答えているものの、その利用においては課題に直面してもいる。マシンデータアナリティクスを既に利用しているとした回答者のうち、71%はマシンレベルの応答性(ミリ秒以内)を有したリアルタイムデータ分析を活用しており、53%は人間レベルの応答性(5秒から5分の遅延)を実現するリアルタイム分析を実施している。それ以外は分単位や時間単位、あるいは日単位でデータを分析していると回答している。
また、200人の回答者を通じて、データをできる限り迅速に分析したいとの望みが見て取れる。マシンデータアナリティクスの速度を具体的にどの程度にまで高めたいかという質問に対して、ほとんどの回答者(69%)が「マシンレベルの応答性」と答えているのに対し、51%は「人間レベルの応答性」、29%は分単位や時間単位、あるいは日単位と答えている。
回答者のほぼ3分の1(34%)が、現在使用しているマシンデータアナリティクステクノロジはマシンレベルのリアルタイム応答性を備えていないと答えている一方で、53%は現在使用しているテクノロジでは人間レベルのリアルタイム応答性すら実現できないと答えている。