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Dr.津田のクラウドトップガン対談

4K、8Kの放送革命に需要--「超高効率データセンター」(2)

吉澤亨史

2016-12-19 12:40

 クラウドコンピューティング市場の拡大によって、かつて電子計算センターと呼ばれたデータセンターへの要望も変化しています。最大の要望は電力効率で、コスト競争の激化と2011年以降約1.3倍に値上がりした電気料金により、電力効率が悪いデータセンターは選択されなくなってきています。

NCRI会長で工学博士の津田邦和氏
NCRI会長で工学博士の津田邦和氏

 その中で、データセンターの電力効率を高めることを目的に「NCA寒冷地グリーンエナジーデータセンター(GEDC)推進フォーラム」という研究推進グループが2008年に発足し、寒冷地の気候特性を活用して、外気と雪氷によるハイブリッド冷房技術を構築してきました。その技術が実用的なものとなり、新しいデータセンター構築に採用されるようになりました。

 今回の「第4回 Dr.津田のトップガン対談」では、この「寒冷地の気候特性を活用した新しい超高効率データセンター」を新潟県長岡市に建設することを決定したデータドックの社長を務める宇佐美浩一氏に話を聞きます。第1回に続き、今回は2回目です。(文中敬称略)

 今回、データドックは新潟県長岡市に外気と雪氷を活用して機械冷房をほぼ使用しない「新潟・長岡データセンター」を建設する計画を進めていますが、その排熱や電力などの余剰エネルギーも使えばさらに効果的なエネルギー循環システムを実現できます。そのチャレンジとして植物工場を検討しています。データセンターと外気雪氷活用と余剰エネルギー利用の施設。この3点セットは私たちが調べた限り、世界初です。

新潟県長岡市に、世界初の「雪氷・排熱利用データセンター」

津田 それでは、新潟・長岡データセンター立ち上げの現状について教えてください。

宇佐美 現在、人材が13人集まってくれていまして、いずれも大手や実績のある企業で主要なポストに就いていた、データセンター事業の経験者です。何もない状況から、データセンターの設計、建設、サービスの構築をやってみたいと意欲的な人材が集ってくれました。順調に計画が進むと、開業時には30名までに増やす予定です。2017年の4月に着工し、10月末に竣工、2018年1月のサービスインというスケジュールになっています。

 商談はもうスタートしています。7月12日に虎ノ門ヒルズで単独でイベントを開催し、約400人が来場しました。イベントには新潟県知事や経産省の方も来て、応援メッセージをもらい、大手SIerの方や大手広告代理店の方にも講演してもらいました。またデータセンターの基本サービスである、ハウジングとネットワークの料金表を提示し始めました。販売パートナー制度を整備し、お問合せに対して諸条件を個別でお話ししております。

津田 そのデータセンターは、外気と雪氷によるハイブリッド冷房という空調電力の少なさだけでなく、他にも差別化ポイントがあるそうですが、そこを教えてください。

データドックの社長を務める宇佐美浩一氏
データドックの社長を務める宇佐美浩一氏

宇佐美 データライフサイクルマネジメント、つまりデータをゆりかごから墓場までマネジメントすることを標榜しています。大きく分けると、データを安全にお預かりするデータインフラサービスと、そのデータをビジネスに活用していただくデータアナリティクスサービスの2つになります。そして現在、優先的に進めているのがデータインフラサービスです。

 新潟・長岡データセンターは、これからのビッグデータ時代に求められるファシリティスペックを備えています。まず、先ほど話が出た1平方メートルあたりの床耐荷重が3.0トンです。近々発売される最新のストレージが裸で1平方メートルあたり2トンといわれていますので、十二分に設置可能です。また、ラックあたりの提供電力は最大30kVAです。首都圏の大半のデータセンターは2kVAや4kVAですから、圧倒的な集積度を実現しています。

 ネットワークでは、東京からの専用直結線により、全域異キャリア、異ルートで上り下りとも100Gbpsのバックボーンを備えています。そして、東京と長岡の距離感です。東京駅から新幹線に乗れば、最短で1時間35分で長岡に着きます。長岡駅から新潟・長岡データセンターまではタクシーで10分ですので、東京から2時間かからないわけです。この距離感なら、ハウジングやオンプレミスといったニーズにも対応できると考えています。

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