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日本株展望

注目されなくなった日銀金融政策決定会合の注目点

ZDNet Japan Staff

2016-12-20 11:12

今日のポイント

  1. 今日昼ごろ、日銀金融政策決定会合の結果が発表される。過去1年、政策発表後に株・為替が大荒れになっていたが、今回は注目点がなく、無風と予想される
  2. 円高・株安が続いていた間、日銀は追加緩和によって円安・株高へ転換する方策を考えてきた。ドル金利上昇によって円安・株高が実現した今、追加緩和の必要はなくなった。これから日銀は、量的緩和の「出口」に向けた布石を打つ段階に入ると考える

 これら2点について楽天証券経済研究所長兼チーフストラテジストの窪田真之氏の見解を紹介する。

毎回大荒れだった日銀金融政策決定会合が荒れなくなってきた

過去1年の日銀金融政策決定会合振り返り(単位:円)

過去1年の日銀金融政策決定会合振り返り(単位:円)
(注:楽天証券経済研究所が作成)

 表をご覧いただくとわかる通り、過去1年、日銀金融政策決定会合の結果が発表される日は、いつも日経平均が急騰急落を繰り返していた。市場に追加緩和の期待がない時に緩和を実行し、市場に緩和期待がある時に緩和をしなかったことが大荒れの原因だった。

 マイナス金利や上場投資信託(ETF)の買い付け大幅増額など、従来にない政策を導入する時にもサプライズが起こった。新しい緩和方法を考えていることを市場に秘匿してきたからだ。

 日銀は伝統的に秘密主義で、黒田総裁は「市場との対話を重視する」と宣言し、積極的に情報を出してきたように見えたが、一番重要なポイントはいつも秘匿してきたことがわかる。日銀の金融政策発表と同時に、マーケットが大きく動くことで日銀の力を見せ付けているようなところがあった。

 ただ、その日銀への注目が今、薄れてきている。日銀の金融政策の目標がすでに達成され、必要性が薄れているためと考えられる。

日銀の本当の政策目標は何か?

 日銀は、2%のインフレ目標を達成するために大規模緩和をやっているとしている。金利をマイナスまで下げ、マネーを大量供給することによって、設備投資を活性化し、景気・インフレを上向かせることを目指していることになっていた。

 ただ、今の日本で、金利を下げたら設備投資が増えると考える人はほとんどいない。日本で設備投資が盛り上がらないのは投資機会がないからだ。1960年代の高度成長時のように「投資チャンスはあるのに資金が調達できないために投資ができない」企業がたくさんあるわけではない。

 そんなことは誰でもわかっているのに、それでも日銀が金利を下げ続け、大量の資金を供給し続けた。なぜだろうか。日銀は本音では、「円安・株高を誘導することによって、景気を好転させてインフレ目標を達成する」ことを目指していると考えているという。

 確かに、マイナス金利の導入や量的緩和は円高の防止、円安の誘導に効果がある。円安になると、株が上昇し、日本の景気にもさまざまなプラス効果が波及する。今年の前半はドル金利が低下し、円高・株安が日本経済を直撃した。日銀は断固として、円高・株安と戦う決意だったのだと考えられる。

 11月以降、米景気が改善、ドル金利が上昇し、大幅なドル高(円安)が進んだ。円安を好感して、日経平均も大きく上昇した。日銀が目指していたことが、外部要因によって達成されたわけだ。

 金融政策の目標が薄れたため、9月21日に日銀が発表した金融政策には、引き締め色が出ていた。マイナスだった長期(10年)金利をゼロ%まで引き上げると発表した。また、日銀は債券の保有高が毎年80兆円増えるように債券を買い付けることを目標としてきたが、玉不足で債券が買えなくなるときに備え、80兆円を目標から「めど」に格下げした。明らかに、異次元緩和からの出口に備えた布石と取れる内容だった。

今日の日銀金融政策決定会合の注目点

 追加緩和が行われることはないはずだ。むしろ、緩和からの出口を探る段階に入っていると思われる。以下1~3のような検討がされていると考えられる。

  1. 米金利上昇で円安が進んだので、弊害の多いマイナス金利深掘りは必要なくなった
  2. 日銀の大量買付で国債の流動性が落ちており、徐々に買付額を減らすべきである
  3. 将来、円高圧力が再び高まった時に追加緩和策を取れるように、今はむしろ緩和を緩めた方がいい

 日銀が悩むのは、量的緩和の縮小(テーパリング)を宣言すると、金融市場にショックを与えかねないことだ。日銀は、気付かれないようにひそかに緩和の出口を探ることになるだろう。

 今日の日銀発表の注目点は以下となる。

 「緩和からの出口を模索しつつ、市場にその意図を感じ取られないように説明すること」。それをどのようにうまくやるかが、今日の発表の注目点となる。

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