自動運転車においても公道での実験走行など、大きく動き出した年となった。海外においては、欧米における自動車メーカーにおいては、レベル3や、レベル4の自動運転車の開発・実用化に向けた方針を発表する動きが加速している。
レベル3とは、加速や操舵、制動をすべて自動車が行い、緊急時のみドライバーが対応する状態、レベル4は完全自動運転の状態を指す。(今後、レベル4は地域限定の完全自動運転、レベル5は地域を限定しない完全自動運転として、区分の見直しが予定されている)
出所:出所:IT総合戦略会議 第1回道路交通ワーキングチーム・ 第26回SIP自動走行システム推進委員会 合同会議 2016.12.7 海外での開発・連携を巡る動向(レベル3、レベル4関連)
日本では、トヨタ自動車が1月に米国のシリコンバレーにAI研究のための新会社TRI(トヨタ・リサーチ・インスティテュート)を設立した。優秀な研究者を集め、5年間で10億ドル(約1200億円)を投資するなど、自動運転の研究を加速させている。
米Google、Uber、テスラモーターズなど、自動車メーカー以外の事業者も自動運転に力をいれている。米Googleは12月に、自動運転車部門を分社化し、新会社「ウェイモ(Waymo)」を設立している。
日本のIT企業では、DeNAが2015年に、自動運転技術の研究開発進めるロボットベンチャー企業ZMPと共同で「ロボットタクシー」を設立。2020年の提供開始を目標に開発を進めている。3月には、神奈川県藤沢市でレベル4の自動運転タクシーの公道での実証実験を実施している。
自動運転関連技術を開発するソフトバンクの子会社「SBドライブ」は11月、経済産業省の「平成28年度スマートモビリティシステム研究開発・実証事業」において、2018年秋に、北九州市などの公道で、レベル4による路線バス運行の実証実験の計画を発表している。