富士通は「FUJITSU IoT Solution 生体センサー認証ソリューション オンライン生体認証サービス」を2017年4月上旬から提供する。販売価格は個別見積もり。12月21日に発表した。
オンライン生体認証サービスは、オンライン認証規格「Fast IDentity Online(FIDO)」に準拠している。FIDOは、IDとパスワードに依存せず、生体認証と公開鍵暗号方式を活用する。公開鍵暗号方式は、公開鍵と秘密鍵という2つの鍵を使ってデータを暗号化、復号する方法。従来のパスワードでのオンライン認証の脆弱性を解決できると期待している。
サービス利用者はFIDOに対応したスマートフォンなどのデバイスを利用したいオンラインサービスに登録しておくだけで、端末に保存した生体情報を使ってサービス提供側から認証を受け、ログインや決済が可能。オンラインサービスを提供する事業者は、サーバとクライアントのアプリケーションをFIDOに対応させることで、サービス利用者の生体情報をサーバ側で管理する必要がなくなる。
オンライン生体認証サービスのシステムイメージ (富士通提供)
富士通は、同サービスを活用することで銀行や通信販売、チケット手配、カーシェアリングなどでのオンラインによる本人認証の仕組みを強固なセキュリティを持たせながら簡単に構築できるとしている。同サービスは、スマートフォンに標準搭載されているインカメラでの顔認証でもFIDOを利用する機能を組み込めるので、AndroidやiOSを搭載するスマートフォンユーザーをカバーできる。
同サービスでは、FIDO対応のサーバやソフトウェア、必要なクラウド環境を構築、クライアント側の開発支援サービスを提供する。富士通がこれまでスマートデバイスやセンサの開発で培った技術をもとにクライアントアプリケーションにFIDOを組み込むためのソフトウェア開発キット(SDK)や開発支援サービスを提供する。
富士通は、同サービスに関して2018年度までに1000万IDの獲得を目指している。