ハイスキル/ハイリターンな人材投資を
人工知能に関する展望として、2019年までに60%の日本企業は新たなアルゴリズム開発や人工知能的なものにチャレンジするが、その80%がテクノロジではなく、人材の問題で行き詰まる、と指摘している。
リサーチ部門バイスプレジデント兼最上級アナリストの亦賀忠明氏によると、AI関連の技術開発では、ハイスキルを持つ人材の獲得競争が世界規模で起こっており、米企業などは機械学習の人材に少なくとも年間1000万円以上の給与を支払っているという。
その一方で日本の一般的な機械学習エンジニアの給与の額は、米国のおよそ半分という状況だとし、今後、高度なテクノロジスキルを有する人に対して待遇面を考慮する、ハイスキル/ハイリターンの考えを導入し、人材投資を中長期戦略として展開する必要があると指摘している。亦賀氏は以下のようにもコメントしている。
「企業は、AIの理想と現実をまずは正しく理解し、ハイスキル/ハイリターンを前提とした人材投資を中長期戦略として展開する必要がある。現在、市場は“何でもAI”の状況。多くのベンダーはAIを宣伝文句に使っているが、2017年には本物のAIとそうでないAIが区別して語られるようになることを期待する。ユーザーもこうした宣伝に振り回されないように“本物を見極める目利きのスキル”を獲得することが重要になってくる」