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構造的なスキルセット変化への要請に応える--セールスフォース小出会長

怒賀新也 (編集部)

2017-01-01 06:00

 人工知能(AI)、IoT、ブロックチェーン、ソフトウェア定義インフラなど毎日のように新たな技術に関する発表がある。「あくまでもビジネスにどれだけ落とし込めるかが鍵」だと強調するのは、セールスフォース・ドットコムの代表取締役会長兼社長を務める小出伸一氏だ。

 小出氏に、ビジネスにおけるIT活用の方向性について、2016年を振り返り、2017年を展望してもらった。

注目を集めたEinstein

 Einsteinは2016年にわれわれが注力した製品です。セールスフォースの原点はCRMのデータベースですが、それをいかに営業活動に使い、生産性向上や効率化を図れるかが鍵になってきます。それを実現するのが、AIをベースにするEinsteinです。

セールスフォース・ドットコムの代表取締役会長兼社長を務める小出伸一氏
セールスフォース・ドットコムの代表取締役会長兼社長を務める小出伸一氏

 例えば、Aさんという成約率の高い営業担当者がいるとしましょう。Aさんが営業プロセスにおいて、効果的なプレゼン資料を持ち、顧客への電話の効果的なタイミングを知り、最後に決裁責任者と自分の上長を引き合わせれば契約が取れるといった勝ちパターンを持っていたとします。そのノウハウを体系化し、成績の上がらない他の営業担当者に適用すればいいのです。それによりチーム力も上がります。

 そうした視点は、常に持つ必要があると考えています。注目の企業として、プリンタメーカーのサトーグループを挙げることが多いです。サトーはプリンタ関連製品の欠品の補充やパーツ交換などプリンタのメンテナンス作業を、導入企業が自ら手掛けられるようにプリンタの横に大きめのディスプレイを設置し、それを経由して欠品やパーツ交換といった支援をしています。プリンタに設置した多数のセンサを通じて、消耗品の交換時期や故障個所を検知し、企業は必要がある場合は、ディスプレイ上でサトーのコールセンターのサポートを受けます。

 熊本地震の際も、プリンタが棚から落ちた企業があったようですが、故障解析機能を通じて支援したと聞きます。あたかもフィールドエンジニアがいるかのようなサポートが可能になるのです。

 サトーは「顧客のプリンタを1分たりとも止めたくない」という強い要望を持っており、それを実現するための技術が、たまたまセンサを用いたIoTだったというだけです。

--サトーグループは、海外の需要を取り込むための切り札としてIoTを導入したとも。規模の小さな企業でも、テクノロジの活用方法次第で世界中の企業を顧客にできるという意味で、先進的な取り組みと言われている。

 より少ない保守要員で、より多くの顧客をサポートできるかが鍵になるところで、同社の事業モデルの新たな展開を実現するアプローチになったのです。

--2016年を振り返り、重要な出来事は?

 私が社長に就任して2年半がたち、従業員は450人から2倍以上の1000人になりました。Salesforceとして日本市場に注力し、データセンターへの投資を増やすなど、さまざまな事柄に取り組み、小さかった日本のクラウド市場を大きくすることに力を入れました。その一環であるセールスフォース・ベンチャーズを通じた投資先も、2016年に5社増えて累計で30社になりました。パートナー企業数は370社、認定開発者数は2015年の5000人から、7400人にまで増加しています。日本で事業を展開する上で、基盤を着実に構築できています。

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