Apple Payの導入に合せて準備--モバイルペイメントの新ステージ - (page 2)

松下康之

2016-12-28 07:00

--利用している銀行からなにかフィードバックはありますか?

ED フィードバックは非常に良好です。ある銀行は、利用者の傾向として複数持っているクレジットカードの中からこれらのカードを優先的に使おうとしていると教えてくれました。つまり単にセキュアなだけではなく、付加価値を利用者に実際に与えているということです。これは非常に大事なことだと思います。

--日本でApple Payが始まりました。日本市場での今後の計画を教えてください。

ED 日本はわれわれにとって、非常に重要な市場です。特にオンラインでのペイメントが進化するに従って、日本のユーザーがそれを使おうとしていますから。市場として日本は常に技術に対して貪欲といいますが、より良い技術、新しい技術を使おうとする傾向にあると言えます。

 ただ、依然としてセキュリティについて心配するユーザーが多いことも事実です。積極的ではありながらも、ある一面では非常に慎重と言えます。

ME 日本市場については常にモニタリングしてきました。時機を狙っていたと言ってもいいでしょう。Felicaが日本で始まったのがもう20年ほども前ですが、さまざまな要因を基に判断し、今回のApple Payの導入に合せて準備をしてきたということです。1つには、日本市場でのiPhoneのシェアの高さが挙げられます。

--OTのカードの優位点についてもう少し教えてください。

ME OTのスマートカードがセキュリティ面で優れているところをいくつか紹介しましょう。最初に過去の磁気データで数値を記憶させるカードからICチップが実装されたことで、はるかにセキュアになりました。

 これはデータを違法に読み取ることが、以前よりも困難になったことを意味しています。次に指紋認証機能付きのカードがあります。これは本人確認のための2要素認証を行う時に、PINやパスワードより簡単かつセキュアです。OTはバイオメトリクスなどの認証技術のリーディングベンダーであるMorphoを買収することで、この部分を統合して提供することができます。

 最後にトークナイゼーションの話をします。これはクレジットカードをそのまま複製するのではなく、トークン化することで、使い勝手とセキュリティを同時に両立させる機能です。これにより、実際のカードとApple Payのようなデジタル化されたカードが、セキュアにまた簡単に使えることになります。

 つまり、クレジットカードと別にトークン化することで、スマートフォンが盗まれてカードを利用不可にしたとしても、本体のクレジットカードは何も変わらずに利用できます。

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