こんにちは、日立ソリューションズの吉田です。2016年も残すところあと少しということで、年末恒例の今年を振り返ってみたいと思います。
人工知能(AI)
残念ながら、今年の「新語・流行語大賞」を受賞できませんでしたが、IT業界に限定すれば大賞に選ばれたのではないかと思うのが「人工知能(AI)」です。特に10月の以降の出現頻度には目を見張るものがあります。
まず、1月に中国のBaiduが機械学習ソフトウェア「Warp-CTC」をオープンソースとして公開しました。これは、音声認識を使用した「Deep Speech」開発の過程で作られたものでした。同じ1月にMicrosoftがディープラーニングツールキットである「CNTK」をオープンソース化しました。
これも同様に社内でコンピュータによる話し言葉の理解の改善速度を加速するためにボランティアプロジェクトとして開発されたものです。その後、このCNTKは「Cognitive Toolkit」と名前を変え、10月に機能追加版が発表されました。このリリースでは、C++ライブラリとしての利用が可能になったほか、Python向けのAPIも提供されるようになっています。
かたや、2015年11月に公開したディープニューラルネットワーク用エンジン「Tensor Flow」で一歩リードしているGoogleは、3月にGoogleフォトの画像認識技術やAndroidフォンの音声認識支援技術を支えている機械学習技術を公開しました。
また、これに負けじと5月にAmazon.comが「DSSTNE」を、8月にFacebookが「DeepMask」、12月にはElon Musk氏が共同会長を努める非営利の米AI研究企業であるOpenAIが「Universe」をオープンソースとして公開しました。日本発のOSSとしては、Treasure Dataに所属する古橋貞之氏が開発した機械学習ライブラリ「Hivemall」が、米Apache Software Foundationの「Incubator(育成)」プロジェクトになりました。
