アクティブアーカイブ
アクティブアーカイブは効率を向上させ続けるだろう。また同時に、企業の最高情報責任者(CIO)らがアクティブアーカイブはクラウドサービスよりも安価かつ高速であると気付くことで、エンタープライズIT分野での普及が引き続き進んでいくだろう。IaaSベンダーのClearSky Dataは、スマートキャッシュを使って、オブジェクトストレージをNAS製品と同程度にまで高速化できることを既に実証している。より優れたデータ整合性や、低い運用コスト、容易な運用といった、オブジェクトストレージシステムの持つ優れた特性は、CIOらを納得させる十分な材料になるはずだ。
オブジェクトストレージの設置コストは依然として高価であり続けるため、NASが消えて無くなったりはしないだろうが、RAIDベースのNASの衰退は2017年に始まるはずだ。
クラウド
クラウドサービスについては、先行しているAmazon Web Services(AWS)をMicrosoftやGoogle、IBMが独自の優位性を駆使して猛追し続けるため、より激しい競争が繰り広げられるだろう。AWSはIaaS市場で先行し、大きなシェアを握ったことで、後発企業よりも優位に立ち続けると思われたが、1960年代のIBMとは異なり、収益性が高く、独自の優位性を持つ大手企業3社との戦いに直面している。Googleの頭脳と、Microsoftのデスクトップやリサーチ能力の強み、IBMの法人市場での強さという優位性の前で、AWSの先行優位性は十分とは言えない。
クラウドサービスの成長と向上が続いていくというのは、われわれにとって歓迎すべき話だ。業界のすべての企業が繁栄できる十分な速度で市場が成長しているのは、AWSにとっても悪くない話だろう。少なくとも今のところは。
超高速のPCIe/NVMe
PCIe/NVMeを採用したSSDは、2017年の終わりまでにほとんどの高機能ノートPCで採用されるようになるだろう。PCIe/NVMe採用SSDを搭載したAppleの新型「MacBook Pro」はトラブルを抱えているかもしれないが、ストレージ性能は懸念とはなっていない。また、他の企業もPCIe/NVMeの波に乗ろうとするはずだ。
PCIe/NVMeを採用したSSDは読み書き性能が1秒あたり2Gバイトにも達するため、SATA SSDを圧倒する。またノートPCは仮想メモリシステムが強化され、より軽快に動作するようになるはずだ。
ストレージ関連の予想
残念ながら、2017年は業界の全員にとって喜ばしい年になるとは言えない。筆者は、技術と競争の加速度的な変化への対応が遅れたストレージ企業がより多くの人員を解雇すると予想している。
しかしストレージを利用する、そして/あるいはその管理を行うわれわれにとっては、大きな進歩が次々ともたらされる年になると考えている。他の分野でも同様の進歩を期待したい。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。