Industrial InternetのCTOに聞く--成功するIoTのプロジェクト要件 - (page 3)

飯田樹 山田竜司 (編集部)

2017-01-20 07:00

--続いて、Stephan Mellor氏、米国IICの現状は。

Mellor氏 IICはメンバードリブンな組織です。現在268社のメンバーがいますが、それぞれの意見が異なるため、方向性を決めるのが難しいところでもあります。メンバーの方向性を把握し、人を連携することを促進するのが私の役割です。単独でプロジェクトを進めるよりも、多くの人を集めて取り組んだ方が、プロジェクトは前進するからです。


米国IIC CTO Stephan Mellor氏

--今、どのようなことに注力していますか。

Mellor氏 IICとして注力しているフレームワークは2つあります。1つはIoTのセキュリティです。金融やヘルスケアの世界などでは特に、セキュリティが強く求められます。

 セキュリティで課題となるのは、ITの世界の言語と、OT(operational technology)の世界の言語を合わせることです。例えば、「セキュリティ」とITの人に伝えれば、ウイルス対策やファイアウォールを想像しますが、OTの人は「入りにくくすること」 を想像します。2つの領域が重なっているのだと理解してもらうことが大切です。

 2つ目がビジネスストラテジーのフレームワークです。どんな機会があるのかが分かっていないことが現在の問題です。1980年代に初めて「インターネット」というキーワードが出てきた時に、どういうことが可能になるかは誰も理解していませんでした。

 現在のIoTは似たような状況にあり、何が可能かはまだ把握されていません。どういう機会が存在して、どういうリスクが存在するのかを捉えられる、新しい考え方が必要です。

--最後に、IICの展望をお聞かせください。

Mellor氏 IICにとって一番大切なのは、テストベッドです。過去数年にわたり、私たちは約25個のテストベッドをしており、ガイドラインもあります。

 それでも、結果が足りていない状況で、今は大きな失敗が必要です。失敗ができれば、自分たちが最先端にいることを確認できるとともに、学びが得られて、進むべき方向が分かります。どんな標準化が必要なのかは、そこから学習すれば良いのではないでしょうか。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]