グーグル、オープンソースの3Dデータ圧縮ツール「Draco」を公開

Steve Ranger (ZDNet UK) 翻訳校正: 編集部

2017-01-17 10:16

 Googleが3Dグラフィクスの保存と送信を改善して、より詳細な3Dアプリケーションの提供を支援する一連のオープンソースライブラリを公開した。

 Googleによると、3Dグラフィックスは今ではゲーミングやデザイン、データ可視化ソフトウェアなど、さまざまなアプリケーションの重要な一部になっているという。また、グラフィックスプロセッサの性能が向上するにつれて、より大規模で複雑な3Dモデルが増加する見通しで、特に仮想現実(VR)および拡張現実(AR)コンテンツの普及拡大がそれに拍車をかけるという。

 しかし、3Dモデルが複雑さを増せば、ストレージや帯域幅が潜在的なボトルネックになる。そこで、GoogleのChrome Mediaチームは「Draco」を開発した。Dracoはオープンソースの圧縮ライブラリで、3Dグラフィックスの保存と送信を改善する。

 Dracoを使えば、メッシュやポイントクラウドデータを圧縮することができる。さらに、Dracoは圧縮ポイントや接続情報、テクスチャの座標、色情報、法線などジオメトリに関連するあらゆる属性をサポートする。Googleによれば、これらの機能のおかげで、視覚的な忠実度を犠牲にすることなく、3Dグラフィックスを使用するアプリケーションを大幅に圧縮することが可能になるという。


Dracoのパフォーマンス
提供:Google

 Chrome MediaチームのJamieson Brettle氏とFrank Galligan氏は、「ユーザーにとって、これはアプリのダウンロード時間の短縮、ブラウザでの3Dグラフィックス表示の高速化、さらにVRやARのシーンもわずかな帯域幅で送信可能になることを意味する。それらのシーンは高速でレンダリングされ、美しく表示される」としている。

 この10年間、動画と音声の圧縮がオンデマンドの動画ストリーミングや音楽ストリーミングによってインターネットを方向付けてきたため、3Dの使用を促進するにはDracoのようなツールが必要だという。

 同チームによると、単一のモデルから複数のディテールレベルを作成して、メッシュの読み込み速度をさらに高める機能のサポートも予定されているという。DracoのコードはGitHubで公開されている。

 

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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