日本株展望

小売り、サービス業に業績好調目立つ

ZDNet Japan Staff 2017年01月17日 11時56分

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今日のポイント

  1. 9~11月決算が出そろった。小売り・サービスなど内需関連の好調が目立つ
  2. 東宝は大ヒット作に恵まれた今期は絶好調だが、来期も大ヒットが出るか未知数。セブン&アイは、コンビニの成長と構造改革の効果で、来期以降も最高益が見込まれ、投資魅力は高いと考える。ローソンは、好配当利回り株として評価。ファストリはアジアで成長続くが国内は成長余地が低下。ビッグカメラは、インバウンド需要減少で足元低調だが、先行き回復見込む

 これら2点について楽天証券経済研究所長兼チーフストラテジストの窪田真之氏の見解を紹介する。

9~11月決算が出揃う 好調な内需企業多い

 日本には、3月決算企業が多く、これから始まる10~12月期(2017年3月期の第3四半期)決算発表で、日本の企業業績に回復色が強まっていることが確認できるか、注目されている。

 ところで、一足先に、9~11月決算が発表された。小売り・サービスなどの内需企業に、3月決算と1カ月ずらした2月決算や8月決算が多数ある。小売り・サービスなど内需関連には好調企業が多く、いずれ見直される機会もあるだろう。

大ヒット作にめぐまれた東宝は最高益更新もいったん材料出尽くしか

 16日、東宝が2017年2月期の第3四半期(9~11月)決算を発表した。

東宝の業績推移(金額単位:億円)


(出所:実績・会社予想は同社決算短信、
市場予想は1月16日時点のアイフィスコンセンサス予想)

 第3四半期まで(3~11月)の経常利益は、26%増の425億円と最高益を更新した。アニメ映画『君の名は』や『シン・ゴジラ』などの大ヒット作が貢献し、2016年の年間興行収入が前年比17%増の854億円と過去最高を更新したことが貢献した。これまでの最高は、2010年の748億円で、この時も複数の大ヒット作があった。

 通期(2017年2月期)の経常利益について、会社は14%増の485億円と最高益更新を予想している。市場予想では、18%増の503億円が予想されている。

 今期絶好調の東宝だが、株価は目先、材料出尽くしで上値が重くなる可能性もある。来期(2018年2月期)も、今期と同様な大ヒットに恵まれるか、現時点で分からないからだ。来期経常利益の市場予想は、9%減の459億円となっている。

 ただ、世界経済や為替の影響を受けずに、安定的に高収益を上げられる体質となってきたことは評価される。TOHOシネマズの劇場・スクリーン数は安定的に増えており、また、DVD販売など興行後のコンテンツ収入もあり、大ヒット作がなくても、安定的に収益を稼げる体質となってきている。目先、好材料出尽くしの形となるが、大きく株価が下がるとは考えられない。

コンビニの成長とリストラ効果で最高益続くセブン&アイは投資魅力高いと考えられる

 12日に、セブン&アイが2017年2月期の第3四半期(9~11月)決算を発表した。内外でコンビニが好調で、来期以降も最高益を更新していく見通しが高まったことを受け、同社株は、13日に前日比382円(9%)高の4832円と大きく上昇した。16日は73円安の4759円だった。

セブン&アイHLDGの業績推移(金額単位:億円)


(出所:実績・会社予想は同社決算短信、
市場予想は1月16日時点のアイフィスコンセンサス予想)

 セブン&アイは、長年にわたり、コンビニ好調、百貨店、スーパーマーケット(イトーヨーカ堂)不振の構造が続いてきた。今期は、従来から取り組んできたスーパーのリストラに加え、百貨店(そごう西武)のリストラ(店舗閉鎖や売却)を加速することによる特別損失が出るため、最終損益は、半減する見通しだ。ただし、経常利益は、内外のコンビニが好調で、小幅に最高益を更新する見通しだ。

 来期経常利益は、市場予想ではさらに9%増加し、最高益を更新する見通しだ。来期最終損益は、特別損失が一巡する効果で235%の大幅増益が見込まれている。

 来期以降も、コンビニ中心に成長が続く姿が見えてきたことが好感され、株価は上値を目指すと予想される。

 ただし、気をつけるべきことは、百貨店とスーパーストア事業のリストラが完了したわけではないことだ。来期も金額は縮小するだろうが、特別損失が出る可能性はある。

 また、セブン&アイで問題となるのは、「第2の創業」として積極的に取り組んできた通販事業が赤字のことだ。2016年3~11月のセグメント利益を見ると、百貨店がマイナス35億円の赤字であるほか、通販事業もマイナス77億円の赤字だ。

 通販事業は、配送費などのコストが重く、今のままでは黒字転換が難しい状況だ。今後、やり方を変えて黒字を目指すことになるが、現時点で抜本的な対策がまだ取られていない。

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