展望2020年のIT企業

NTTデータが2兆円を目指す理由

田中克己 2017年01月26日 07時30分

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 NTTデータが海外市場の開拓を加速し、当初の計画を2年前倒しする2018年度に売上高2兆円超を達成する方針。

 岩本敏男社長は2016年度上半期の決算説明会で、グローバル戦略が拠点数の拡大から各国における存在感を高める段階に入るとし、世界で戦える体制に移行する意気込みを語った。どんな姿を描いているのだろう。

拠点拡大からプレゼンス向上へ移行するグローバル戦略

 グループ経営企画本部長を務める松永恒執行役員は「M&Aで増やした海外拠点のプレゼンスを上げていく」とし、市場に参入した国でのシェア2%の獲得を目指す考えを明かす。2%の意味は、それぞれの国で20位以内のITサービス会社にし、現地の政府や企業から大型プロジェクトのRFP(要件定義)を受注できる規模になること。「40位、50位では、ローカル企業からの発注対象にならない」(同)からだ。

 各国でシェア2%になった結果が売上高2兆円になる。目下のところ、シェア2%の国は日本、ドイツ、スペイン、イギリス、イタリアなどだという。世界最大の米国市場は、2016年に米デルからITサービス部門を買収したことで、2017年に40位から20位以内に浮上できるという。

 NTTデータが海外に積極的に進出するのは、いくつかの理由がある。1つは、トップラインを伸ばすこと。年平均1~2%成長とみられる国内の売り上げは1兆円を超えたものの、これ以上大きく増やすのは困難である。海外で増やすしかないということ。

 もう1つは、顧客企業のグローバル化に対応すること。「顧客の売り上げや利益を最大化させる」(松永執行役員)ために、どの国でも同じサポートを提供できる体制にする。A社が進出した国、B社が進出した拠点をすべてカバーし、グローバルアカウント14社などのグローバル化を支援する。その一環から、M&Aなどで海外拠点の拡充に推進した結果、アフリカと中近東を除いた50カ国超に100以上の拠点を設けた。

 拠点拡充をほぼ一段落したNTTデータのグローバル戦略は、現地法人の売り上げや存在感を高めていく段階に移行した。その施策の1つがグローバル・オファリングの拡充だ。ここでの意味は、強いソリューションを持つということ。現在、SAPのERP、Salesforce.comのクラウドサービス、AWSとマイクロソフトのクラウド基盤になる。どの国でもサポートできるよう、それぞれのノウハウを持つ人材を各国に配置する。

 「これまでのような品質ではなくてもいい」といった、より早く安く届けることを求める顧客企業にも応える。「この方法は高いが、早くできる」「この方法は安くなるが、時間が少しかかる」といった選択肢を用意する。

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