強いHoloLernsへの引き合い
ちょうど記者説明会を開催した1月18日は、「Microsoft HoloLerns」の出荷開始日だった。2016年12月から開始したプレオーダーは「(米国を除いたドイツなどの西欧を含む)6カ国合計の3倍の数」(平野氏)に達して、平野氏自身も驚いたという。Microsoft HoloLernsは開発者向けのDevelopment Editionと、法人向けのCommercial Suiteの2種類を用意しているが、開発者向けのプレオーダーが圧倒的に多かったそうだ。
この関心の高さに答えるため日本マイクロソフトは、開発者向けセミナーを1月26日から開始し、2月からは品川本社30階に用意したテクノロジーセンターに法人顧客向けとしてHoloLernsセッションを開始することを明らかにした。
また、同階ではHoloLerns体験ルームを設置し、来客者へ体験する機会を提供する。同社はMicrosoft HoloLernsを通じた国内のビジネス展開として、建設業界や製造業、ヘルスケア、教育現場の4分野に注力するという。
品川本社に設置された「Microsoft HoloLerns」
日本マイクロソフトの屋台骨となりつつあるクラウドビジネスについて平野氏は、2016年7月に開催した「新年度経営方針記者会」で掲げた"全体売り上げのうちクラウドを50%まで高める"という目標は順調だと語った。
ただし同氏によれば、「日本のパブリッククラウド市場はは海外に比べると、市場サイズや進捗に遅れている。日本は技術に対する関心は他国よりも高いが、実装に至るまでは数年を要するため、海外よりも数年のギャップが生じている」(平野氏)という。
クラウドビジネスはライセンスを売って終了ではなく、使い続けることが売り上げとなるため、他社と競合課題についても「事例数や協業など波及効果を狙いつつ、顧客のマインドシェア(ブランドの占有率)を加速させていくのが2017年度下期の注力ポイント」と語った。