2025年度のキャリア3社設備投資は1兆円台半ばか--5G基地局市場予測

NO BUDGET

2017-01-24 07:00

 ミック経済研究所は12月15日、5G基地局市場の予測を発表した。5Gモバイル通信サービスは2020年に商用展開が開始される計画で、5Gに関連した設備投資などを予測している。

 今回の予測では、まず今後のモバイルトラフィックを予測し、そのトラフィックに対応する基地局数を算出する形で、通信キャリアにおける設備投資額および無線設備市場規模をシミュレートした。


トラフィック量予測

 モバイルトラフィックの中でも大部分を占めるのがデータトラフィックで、近年はスマートフォンなどの普及に伴い年率20%超のペースで伸びており、現状では1人あたり月間2.3Gバイト程度となっている。今後、成長率が一定と仮定しても2025年度には20Gバイトに達する見込みだが、新たに投入された大容量プランを受けて伸びが加速することが予想され、2025年度には最大で30Gバイトに達する可能性も考えられる。

 通信サービスに必要な基地局数は、このモバイルトラフィックと大きな相関関係にあるため、それをモデル化してシミュレートすることで設備投資額や無線設備市場規模を予測することができる。今回は、2025年度時点のトラフィック予測について、1人あたり月間20Gバイト(下限値)/25Gバイト(中間値)/30Gバイト(上限値)となる3つのケースで想定、それぞれの予測を実施した。


設備投資予測

 通信キャリア3社の設備投資額の予測結果は以下の通り。

  • 20Gバイトのケースでは5Gの設備投資が本格的に始まっても通信キャリア3社の設備投資額は2020年以前の低迷状態からは抜け出せず、2025年まで横ばい、せいぜい微増の1兆3000億円弱とどまるという予測になった。
  • 25Gバイトでは、設備投資の低迷状態を抜け出して回復基調に転ずるが、力強さは感じられず、2014年以前のLTE投資の最盛期のレベルには届かない1兆5600億円の見通し。
  • 30GBでの予測では、5G投資の設備投資全体を押し上げる力が大きくなり、2025年には2012〜2013年のLTE投資のピーク時を超える1兆9000億円に達するとの予想結果だ。いずれのケースでも2023〜2024年度には5Gが総トラフィック量の半分以上を収容することになる。

  • 無線設備投資予測

     また、無線設備市場の予測結果は上図のようになった。無線設備は対トラフィックの影響を最も受けるセグメントであるため、設備投資額全体の動きよりもより増幅された傾向を示している。2025年度25Gバイトとなるケースでは、2025年度の無線設備市場は2700億円程度で2012年度のピーク時の規模には届かないという予測結果になった。

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