ノークリサーチは1月12日、2017年の中堅・中小企業のサーバやPCといったハードウェア分野についての展望を発表した。
この中で、同社は中堅・中小企業のクラウドサーバの用途について、クラウドが選ばれる用途は情報系などの一部の用途に限定されていると考えられがちだが、実際は、商材流通システムや営業/顧客管理系システムといった戦略的な用途にも拡大していると指摘している。
今後一年以内に導入予定の「広義のサーバ」の用途(複数回答可)(年商500億円未満全体)
ノークリサーチでは、基幹系業務システム(会計、購買/販売、人事/給与、生産、在庫など)や商材流通システム(EC、EDI、O2O、オムニチャネルなど)、障害/災害の備えとしての待機系システム(バックアップ、DRなど)などの各分野で、クラウドかオンプレミスかどちらのサーバを選択するかといった問い対し、どの分野においても、回答割合の差は10ポイント程度に留まっているとした。このことから特定の用途においてクラウドとオンプレミスのどちらか一方の選択が突出しているわけではないということが分かり、中堅・中小企業にとって、クラウドはオンプレミスとすでに同レベルの選択肢になっていると考えた方がよい、と指摘している。
また、サーバ台数の多い大企業向けに関してはサーバ仮想化の活用が物理サーバの販売台数を減少させる要因となりうるが、中堅中小企業に関しては元々のサーバ台数が少ないため、サーバ仮想化によって業務システム統合、バックアップ/リストアの改善、レガシー資産のマイグレーションなど、関連するさまざまな製品やサービスを訴求する契機となる可能性もあるとしている。
今後3年以内に導入する可能性が最も高いと思われる新しいストレージ機器/手法(年商500億円未満全体)
また、ストレージ製品については、中堅中小市場においてもユーザ企業が扱うデータ量は増大しつつあり、求められるデータアクセス速度も高まりつつあることから、中堅上位企業層(年商300億円以上〜500億円未満)を中心として、ハイブリッドフラッシュストレージやオールフラッシュストレージ、ソフトウェア・ディファインド・ストレージ、フラッシュメモリによるキャッシュなどニーズが高まるとしている。
スマートデバイスを導入した理由や背景(複数回答可)
さらに、スマートデバイスについては、「業務システムの改善やバージョンアップ」や「今後に向けた試験的な導入」という導入理由を挙げている企業が多いことから、「ネットワーク回線サービスとのセット販売」といったアプローチにひかれて導入する傾向は薄まり、「業務システムと連携し、実ビジネスにメリットをもたらす活用」が重視され、中長期的な視点でスマートデバイス活用に取り組もうとする姿勢が見られると指摘している。