PCサーバやストレージ、ネットワークスイッチなどのITインフラ製品を手がけるレノボ・ジャパンは1月19日、同社製品をユーザー企業のオンサイト環境に導入してシステム設定を施す「インプリメンテーション・サービス」を発表、同日提供を開始した。レノボ・ジャパンを窓口に、ユニアデックスがサービスを提供する。
IT機器を購入してからユーザー環境で使い始められるようになるまで、現地で初期導入作業を代行する。IT機器をラックに搭載してケーブルをつなぐハードウェア導入作業と、OSやサーバ仮想化ソフトをインストールして設定するソフトウェア導入作業を併せて提供する。OSなどの設定は、あらかじめユーザーが指定した設定要件に合わせて設定する。
レノボ・ジャパン データセンターグループ データセンター・ソリューション事業本部 副事業本部長 兼 製品統括本部 統括本部長 橘一徳氏
サービスの対象は以下の通り。ハードウェアは、PCサーバ、ストレージ、ネットワークスイッチなど、同社が取り扱っているIT機器全般。PCサーバにインストールするソフトウェアは、OSがWindowsとLinux、サーバ仮想化ソフトがVMware、サーバ管理ソフトがLenovo XClarity。ユーザーが用意した業務アプリケーションなどはインストール/設定の対象外となる。
導入するハードウェアやソフトウェアを決め打ちでメニュー化した「パッケージサービス」と、作業内容や範囲をユーザーが自由にカスタマイズできる「フレキシブルサービス」の2パターンを用意した。細かく仕様を指示したい大企業などはフレキシブルサービスを、あらかじめ用意されたメニューから簡単に選びたい中小企業はパッケージサービスを選ぶといった使い分けができる。
IT機器だけでなくミドルウェアやITサービスに事業領域を広げる
インプリメンテーションサービスを提供する背景について、データセンターソリューション事業本部の副事業本部長で製品統括本部の統括本部長を兼ねる橘一徳氏は、「より上位の事業へとカバー領域を拡大する」と説明。「これまではIT機器の販売がメインだった。アプライアンス製品やアプリケーションソフト、さらにITサービスなど、より上位の領域へと事業を拡大している」(橘氏)
これまでの事業拡大の流れはこうだ。2015年8月には、VMware製品を用いたサーバ仮想化環境のリファレンスアーキテクチャを構築。2016年1月には、同社のハードウェアに米Nutanixのソフトウェアを搭載したハイパーコンバージドインフラストラクチャ製品「Lenovo Converged HX」を追加。2016年3月には、ネットワーク機器ベンダーの米Juniper Networksと協業した。
直近の2016年11月には、ストレージアプライアンス「Lenovo Storage DX」として、米Nexenta Systemsのソフトウェアを搭載したSAN/NAS統合ストレージと、米Cloudianのソフトウェアを搭載したオブジェクトストレージを追加した。今後は、2017年春から夏にかけて、米Nimble Storageのソフトウェアを搭載したSANストレージを追加する。
図1 既存のITサービス群に加えて、新たにオンサイトでの導入作業を代行するサービスを提供する