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日本株展望

トランプ新大統領は日本株に毒か薬か

ZDNet Japan Staff

2017-01-20 11:25

今日のポイント

  1. メイ英国首相のEU単一市場からの離脱発言やトランプ次期大統領のドル高牽制発言などを受け一時は円高進行。米景況感の堅調とイエレンFRB議長発言でやや持ち直し
  2. 大統領就任式を前に、市場は新大統領の打ち出す政策に警戒感強める。政策公約ごとに日本株への「良し悪し」を評価した。景気刺激策を除き、リスク要因は多い
  3. 米労働市場は完全雇用に近く、賃金上昇率は約7年6カ月ぶり高水準。イエレンFRB議長は2019年まで年2~3回の利上げを示唆。為替は日米金利差拡大を再び織り込むか

 これら3点について楽天証券経済研究所シニアグローバルストラテジストの香川睦氏の見解を紹介する。

欧米政治の不安を嫌気した円高・株安

 トランプ次期大統領は、Twitterでの発言や記者会見で“3つのC”を敵に回した印象がある。CNNが象徴する既存メディア、新大統領のロシアでのスキャンダルをリークしたとされる中央情報局(CIA)、中国(China)の3つだ。これらは新大統領の足元をすくいかねないリスクとして要警戒だ。

 ニクソン第37代大統領は、CIAとメディアに暴かれた「ウォーターゲート事件」(1972年)で辞任に追い込まれた。また、トランプ次期大統領は今週、米金融紙とのインタビューで「ドルは強すぎる」と発言。メイ英国首相は欧州連合(EU)市場からの完全撤退を表明した。

 今週は、こうした欧米の政治と政策を巡る不透明感がリスクオフ(回避)によるドル売り・円買いを促し、日経平均を押し下げた(図表1)。

 目先は、米大統領就任式(米国時間1月20日)での演説、月末の所信表明演説(例年の「一般教書演説」に相当)の内容を見極めるまで為替も株式も神経質な動きを続ける可能性がある。

図表1:ドル円と日経平均の推移
図表1:ドル円と日経平均の推移(出所:Bloombergのデータより楽天証券経済研究所作成(1月19日))

新大統領の政策(公約)は毒か薬か

 就任式を前にトランプ次期大統領の政策運営が米経済、世界経済、日本株にとってプラスか否かを不安視する見方が強まっている。国際通貨基金(IMF)は1月16日に発表した最新経済見通しの中で世界最大規模の米国経済の成長加速は「世界経済に追加需要をもたらす」と指摘した。

 ただ同時に、トランプ政権の政策運営が、米国発の保護主義の高まり、ドル高進行による金融環境の悪化、貿易紛争に端を発する中国経済の深刻な減速、米中間の外交的緊張を生じさせる事態などをリスク要因として取り上げている。

 図表2では、トランプ次期大統領の政策(公約や発言)それぞれが、日本株にとり「毒」(ネガティブ要因)となるか「薬」(ポジティブ要因)となるか――についての見通しを整理してみた。

図表2:新大統領の公約(主張)の日本株への影響'
図表2:新大統領の公約(主張)の日本株への影響(出所:各種報道や分析より楽天証券経済研究所作成(1月時点))

 結論としては、「経済政策」を除いてトランプ新大統領の主張で日本株にとり好材料となりそうなものは少なそうだ。換言すると、次期大統領の放言は、従来の政策路線や常識から逸脱する過激な主張が多いと感じられる。これらの主張の多くが(例えば外交面で2国間交渉の取引材料に留まらないとしても)実現に向かうには、共和党や議会で承認を得る必要があることに留意したい。

 例えば、北米自由貿易協定(NAFTA)を無視し、メキシコからの輸入品に「国境税」を課すという主張は非現実的で世界貿易機構(WTO)加盟国内で違反の可能性が高く、メキシコからの報復策なども考慮すれば、米国の消費者や企業にとりデメリットが多いだろう。

 常識的に考えれば、トランプ新大統領の支持者に対するリップサービス(?)に留まるか、今後の2国間交渉での取引材料として活用されるとみるべきだろう。一方で、財政政策が発動された場合の米景気改善観測の高まりは、日本企業にとり外需拡大やドル高・円安(増収増益効果)を介し「業績改善期待」につながる可能性が高いと考えられる。

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