AIをオープンなものにしてエンタープライズも活用できるようにする
--Salesforceとしては、今後どのようにAIに取り組もうとしているのでしょうか?
高度なAI技術の研究開発だけでなくAIをよりオープンなものにして、AIの民主化を進めていきたいと考えています。エンジニアではなく、コードも書けないような人も、例えば簡単にイメージ分類などの機能を使ってAIを活用できるようにする。AI技術はコンシューマ向けだけでなく、確実にエンタープライズ(大企業)領域にも広がると考えています。
--既存のSalesforceの顧客は、Einsteinにどう取り組んでいけばいいでしょうか?
Salesforceでは、AIを活用するためのユースケースをどんどん提供していきます。例えば、顧客リードのスコアリング機能については、より精度の高いものを2月に提供する予定です。これを使えば、営業案件の成約率を上げられるでしょう。それ以外にも「Marketing Cloud」などで活用できるものもたくさん提供するので、まずはそれらをどんどん使ってみてほしいです。
われわれが提供するAIのユースケースを活用することで、一般的なビジネスの課題であれば誰でも簡単に答えを出せるようになるでしょう。それらを使いこなしていけばさらに高い要求が出てくるはずです。そうなれば、Salesforceのカスタムフィールドやカスタムオブジェクトを使い、さらにforce.comやLightningなどの機能も駆使して、自分たちでAI機能を進化させることになるでしょう。
次のステップでは、ユーザーがAI機能を使うための手法を変えていきます。そのためにEinsteinのAI機能を、APIで使えるようにしていきます。さらには、顧客自身が新たな独自アルゴリズムを書けるようにもしていきます。
--将来的にSalesforceのAIを、どのようなAIにしていきたいと考えていますか?
われわれは、最新のAI技術をこれからも追求し続けます。その上で、AIをできるだけ簡単に使ってもらえるようにします。そのためにまずは、Salesforceの強味であるCRMにフォーカスしたいと考えています。最終的には、APIを通じてAIを活用できるようにし、顧客が自分たちのためのAIを作り上げていけるようにします。