Dreamforce

企業がAIを活用するために大切なこと--セールスフォースリサーチ - (page 3)

谷川耕一

2017-01-25 07:30

AIをオープンなものにしてエンタープライズも活用できるようにする

--Salesforceとしては、今後どのようにAIに取り組もうとしているのでしょうか?

 高度なAI技術の研究開発だけでなくAIをよりオープンなものにして、AIの民主化を進めていきたいと考えています。エンジニアではなく、コードも書けないような人も、例えば簡単にイメージ分類などの機能を使ってAIを活用できるようにする。AI技術はコンシューマ向けだけでなく、確実にエンタープライズ(大企業)領域にも広がると考えています。

--既存のSalesforceの顧客は、Einsteinにどう取り組んでいけばいいでしょうか?

 Salesforceでは、AIを活用するためのユースケースをどんどん提供していきます。例えば、顧客リードのスコアリング機能については、より精度の高いものを2月に提供する予定です。これを使えば、営業案件の成約率を上げられるでしょう。それ以外にも「Marketing Cloud」などで活用できるものもたくさん提供するので、まずはそれらをどんどん使ってみてほしいです。

 われわれが提供するAIのユースケースを活用することで、一般的なビジネスの課題であれば誰でも簡単に答えを出せるようになるでしょう。それらを使いこなしていけばさらに高い要求が出てくるはずです。そうなれば、Salesforceのカスタムフィールドやカスタムオブジェクトを使い、さらにforce.comやLightningなどの機能も駆使して、自分たちでAI機能を進化させることになるでしょう。

 次のステップでは、ユーザーがAI機能を使うための手法を変えていきます。そのためにEinsteinのAI機能を、APIで使えるようにしていきます。さらには、顧客自身が新たな独自アルゴリズムを書けるようにもしていきます。

--将来的にSalesforceのAIを、どのようなAIにしていきたいと考えていますか?

 われわれは、最新のAI技術をこれからも追求し続けます。その上で、AIをできるだけ簡単に使ってもらえるようにします。そのためにまずは、Salesforceの強味であるCRMにフォーカスしたいと考えています。最終的には、APIを通じてAIを活用できるようにし、顧客が自分たちのためのAIを作り上げていけるようにします。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    セキュリティ担当者に贈る、従業員のリテラシーが測れる「情報セキュリティ理解度チェックテスト」

  2. セキュリティ

    サイバー攻撃の“大規模感染”、調査でみえた2024年の脅威動向と課題解決策

  3. セキュリティ

    従業員のセキュリティ教育の成功に役立つ「従業員教育ToDoリスト」10ステップ

  4. セキュリティ

    IoTデバイスや重要インフラを標的としたサイバー攻撃が増加、2023年下半期グローバル脅威レポート

  5. セキュリティ

    急増する工場システムへのサイバー攻撃、現場の課題を解消し実効性あるOTセキュリティを実現するには

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]