この主張がミドルウェアプロバイダーであるSoftware AGの利害関係と一致するのは明らかだが、Streibich氏は必要な変革に向かっていくうえで必須となる、組織としての意思をまとめあげられずにいる企業が多いと指摘した。同氏は、壁に直面している組織の幹部のうち、85%がデジタル化に向かって足を踏み出す必要性を認識しているとの推定を引用しつつ、「私が話をしたCEOらは何をすべきかについて既に分かっているが、さまざまな理由から行動に移せないでいる」と述べた。
これはClayton Christensen氏の提唱した企業経営理論である「イノベーションのジレンマ」を反映したものと言ってもよいだろう。この理論では、既存企業のリーダーたちは株主らの意向を尊重するあまり、利益幅の高い事業に束縛され、利益幅の低い機会、すなわちもっと力が入れられてしかるべき市場を、破壊的な変革をもたらす競合に明け渡しているとしている。ソフトウェア駆動の製品は、より高いコストをかけて組み立てた物理的な製品よりも利幅が低くなる可能性もある。企業がデジタル化に向けて足を大きく踏み出せずにいる理由がここにあるのかもしれない。
デジタル化に向けた動きを支援するテクノロジは広く利用可能になっており、ほとんどの最高情報責任者(CIO)やITマネージャー、ITプロフェッショナルは、その入手場所やインストール方法、活用方法を理解している。その一方で企業幹部は、最善の道を選択するためのガイダンスやサポートとともに、長期にわたる優位性を実現するための方法に関するITアドバイザーからの継続的な指南を必要としているのだ。
(なお、今回のイベントに参加するための筆者の旅費は、Software AGが負担してくれた)。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。