コンテナ技術市場は、クラウド市場全体やアプリケーションポータビリティ市場から見ると比較的規模が小さいが、この状況は数年のうちに大きく変化する可能性がある。コンテナは成長率が高く、市場規模の年平均成長率は40%に達するという。その結果、コンテナ技術は近い将来、クラウドを支える技術の中でも、「OpenStack」やPaaS、その他のツールを抜いて、もっとも広く利用される技術になると予想されている。
この予想は451 Researchが発表したものだ。2016年のアプリケーションコンテナ市場は7億6200万ドル規模だったが、2020年には27億ドルまで成長するという。
なぜコンテナ技術がこれほど人気を集めているのだろうか。コンテナが急速に普及しているのには、多くの理由がある。Kontenaの創業者であり最高経営責任者(CEO)を務めるMiska Kaipiainen氏は、「コンテナ技術は環境構成サイクルや、仮想マシンのセットアップ時間、アプリケーション提供サイクルを高速化できる」と述べている。「また、ソフトウェアの提供企業は、コンテナ技術を利用することでソフトウェアの開発と提供を標準化できる。しかし、経営者の関心を引く可能性がもっとも高いのは、経費削減効果だろう」(Kaipiainen氏)
451 Researchが「クラウド実現技術」市場(これには仮想化、コンテナ、プライベートPaaS、自動化および管理ソフトウェアなどが含まれる)と呼ぶ市場における、コンテナ市場のシェアは約10%と小さいものの、同レポートの予想によれば、関連分野の中でもっとも成長が速い。同レポートでは、2017年のクラウド実現技術市場全体の規模を231億ドルとしており、その後毎年約15%成長して、2020年には396億ドルに達すると述べている。著者らによれば、「企業のコンテナ導入と同市場の成熟は、OpenStackや、PaaSやDevOpsなどのその他の隣接領域のトレンドよりもペースが速いと見られる」という。
コンテナ市場の成長予測は次のようになっている。
- 2015年 4億9500万ドル
- 2016年 7億6200万ドル
- 2017年 11億700万ドル
- 2018年 15億3100万ドル
- 2019年 20億5200万ドル
- 2020年 26億8800万ドル
提供:Joe McKendrick