札幌市は、アプリケーション仮想化基盤としてハイパーコンバージドインフラ(HCI)を採用した。
総務省が全国の自治体に対し庁内ネットワークのインターネット分離を求めていることを受け、札幌市ではブラウザだけを仮想化して既存環境から分離する運用を選択した。実現に向けて具体的な仕組みを検討し始めた時点で稼働開始までの期間が限られていたことなどから、短期間での構築が可能で、構築してからも柔軟に拡張していくことのできる基盤としてHCIに注目したという。
サーバとストレージを一体化したアプライアンスとなっているため、事前の設計・構築期間を短縮でき、アプライアンスの数を増やすことで容易に拡張できる。またハイパーバイザ上にさまざまな仮想サーバを構築することで、柔軟に活用できるといった点がポイントだったとのこと。
入札を経て採用を決めたのが、ニュータニックスのHCI「Nutanix Enterprise Cloud Platform NX-3000シリーズ」と「同 NX-8000シリーズ」だった。事前検証段階では、仮想アプリケーションの起動までの所要時間が、通常の物理サーバでは1〜2分だったのに対し、他社ハイパーコンバージド製品では数十秒、そしてNutanixのHCIでは10秒足らずだったと強調している。
札幌市では現在、Nutanix上で、インターネット分離プロジェクトとしてInternet Exploler(IE)のみを仮想アプリケーションとして提供する環境を展開つつある。この仮想化されたIEが、庁舎内の通常の業務ネットワークとは別の経路でインターネットに接続する形だ。最終的には約1万4000のユーザーを想定して、80台の仮想サーバがNutanixのEnterprise Cloud Platform上で稼働する計画だ。
また、情報漏えい対策としてシステム監視を行うための媒体制御プロジェクトも同じセキュリティ強靭化事業の1つとして動いており、このインフラにもNutanixを採用している。管理の統一を図り、異なるプロジェクトでありながら同じシステム基盤で環境を整備することにした。両方を合わせ、Nutanix Enterprise Cloud Platform NX-3000シリーズを16ノード、同NX-8000シリーズを4ノード導入しているとのこと。